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SNS上に掲載されている投資広告から投資詐欺に巻き込まれる被害が急増していますが、インターネット上に掲載されている記事から投資詐欺の被害に巻き込まれるケースも増加しています。
近年の投資詐欺は高額被害になるケースが多く、非常に注意が必要です。
そこでこの記事では、2023年9月に報じられた仮想通貨詐欺の被害事例をご紹介します。
仮想通貨詐欺の被害事例
山口県宇部市に住む60代の男性が仮想通貨への投資に勧誘され、3220万円を騙し取られる詐欺事件が発生しました。
被害男性のもとには、「○○投資管理のアドバイザー、×△です。お会いできてうれしいです、投資を学び、ブルーチップを受け取るために来られた方ですか?これらに費用等は一切発生しませんのでご安心ください。」「私はまだあなたの返金を待っております。投資に関する助けやアドバイスを提供できますよ。」(メッセージ:山口県警提供)とカタコトな日本語によるメッセージが表示されていました。
県警によりますと、被害に遭った男性は2023年6月、スマートフォンでネット記事を見ていたところ、「投資を学びたい方」「アメリカの優良株に興味がある方」などと書かれた記事が表示されました。
興味を持った男性は、記事内にリンクされていた投資会社のSNSアカウントを登録後、アンケート回答に応じたところ、投資会社から4000円分の電子マネーが送られてきたといいます。
男性は4000円分の電子マネーが送られてきたことで投資会社を信用してしまい、投資会社のアドバイザーを名乗る人物とLINEのやり取りを通じて、2023年6月から8月にかけて3220万円を指定された口座に振り込んでしまったということです。
その際、「優良な仮想通貨で、購入できると大幅な利益が出る」「200%から600%の範囲で価格上昇が予想される」などと説明を受けたそうです。
入金後、男性は投資会社に指定された投資用アプリをダウンロードし、投資会社のトレーダーを名乗る人物の指示に従って操作をすると、仮想通貨の売買によって利益が出ているように表示されていました。
男性はこれまで2220万円分入金しており、アプリ上では1億円をこえる利益が表示されていたため、投資会社のアシスタントを名乗る人物に「出金したい」と伝えると、「VIP会員になると平日ならいつでも出金できる」と言われ、VIP会員になるため1000万円を追加で入金しました。
しかし、その後も出金ができなかったため詐欺被害に気付き、警察に相談、事件が発覚しました。
警察は、「インターネット上で簡単に投資ができるという誘いは詐欺の可能性が高い。取引相手が実在する会社であるか事前に確認してほしい」と注意を呼び掛けています。
今回の仮想通貨詐欺事例のポイントを解説
今回ご紹介した仮想通貨詐欺の被害事例では、山口県に住む60代の男性が仮想通貨詐欺の被害に遭い、3220万円を騙し取られるという事例でした。
ではここで、この事件のポイントを解説します。
①ネット上の記事から投資会社のSNSアカウントを登録する
仮想通貨をはじめとする投資詐欺では、SNS上に掲載されている投資広告や、投資関連のネット記事から投資詐欺へ巻き込まれる事例が相次いで発生しています。
ネット上の記事やSNS広告から投資をする場合は、実在する投資会社なのか、また金融庁の登録を受けている会社なのかを確認したうえで投資を行うようにしてください。
仮に、海外の投資会社であったとしても、日本居住者のため、または日本居住者を相手方として金融商品取引を行う場合、原則として金融庁への登録が必要です。
無登録事業者による詐欺被害が相次いでいるため、くれぐれもご注意ください。
②4000円分の電子マネーが送られてくる
投資詐欺では、相手に信頼できる投資会社だと思わせるため、実際に使える4000円分の電子マネーが送られてきたり、投資で出た利益と見せかけるために数万円分の出金をさせたりなどの手口が使われることが多くあります。
詐欺業者の狙いは、一度少額のプレゼントや利益を相手に渡すことで信頼を獲得し、高額入金へ誘導することです。
そのため、4000円分の電子マネーが送られてきたから、本当に利益が出たから、といった理由だけで投資会社を信用せず、追加入金をする場合は、金融庁に登録されている投資会社であるかを確認するようにしてください。
③「優良な仮想通貨で、購入できると大幅な利益が出る」「200%から600%の範囲で価格上昇が予想される」と謳う
仮想通貨詐欺では、「必ず利益が出る」「絶対に損はしない」といった言葉で仮想通貨への投資を持ち掛けてきます。
仮想通貨を購入することで将来莫大な利益が得られるなどの内容は、間違いなく詐欺だと考えられます。
メリットだけを誇張して説明しリスクを一切話さないのは、詐欺師の常套手段です。
詐欺師が話す内容を鵜呑みにしないよう、くれぐれもご注意ください。
④出金できない
仮想通貨詐欺では、「出金できない」ことから詐欺被害に気付くケースが多く見られています。
出金しようとすると、保証金や税金、今回の事例のようにVIP会員になれば出金できるなど、様々な名目で追加入金を求められます。
また、追加入金をしても出金できるようにはなりません。さらに別の名目でお金を入金するよう要求されるのです。
そのため、万が一詐欺業者が運営する投資会社にお金を入金してしまい、出金できないと言われた場合には、それ以上入金しないようご注意ください。
仮想通貨詐欺の被害は返金できる?
当サイトに「仮想通貨詐欺の被害に遭った場合、返金請求できるのか?」というご相談が多数寄せられています。
結論からお伝えしますと、被害状況によって異なりますが、返金請求が困難になるケースが非常に多くなっています。
なぜなら、仮想通貨による送金は、国内の銀行口座振り込みよりも流れが追いにくく、送金先の個人情報開示が困難だからです。
一度送金してしまうと、大切なお金は二度と戻ってこないかもしれません。
被害を未然に防ぐためにも、仮想通貨への投資を始める前は、家族や友人に相談することをおすすめします。
仮想通貨詐欺の被害には要注意!
今回ご紹介した仮想通貨詐欺の被害事例のように、投資に関連する詐欺は高額被害であるにもかかわらず、返金請求が困難である事例が非常に増えています。
また、仮想通貨詐欺の被害は返金解決がほぼ不可能であるにもかかわらず、返金ができると嘘をつき、着手金を騙し取る悪質な業者による被害事例、高額な着手金を請求しながらも返金解決に至らない「弁護士による二次被害」も確認されているため、あわせてご注意ください。
仮想通貨詐欺の被害を未然に防ぐためには、事前に手口を知ることや、投資を始める前に金融庁の相談窓口を利用することが効果的です。
<金融サービスに関するご相談はこちら>
●金融サービス利用者相談室
☎0570-16811(平日10:00~17:00)
※IP電話・PHSからは、03-5251-6811
<不審な電話などを受けたら>
●消費者ホットライン
☎188
●警察相談専用電話
☎#9110(平日8:30~17:15)
当サイトの願いは、仮想通貨詐欺の被害に遭う方が一人でも多く減ることです。
この記事を通して、少しでも多くの方が詐欺被害を未然に防げることを願っております。
仮想通貨詐欺の詳しい手口はこちらの記事でご紹介しています。