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ヤフオクとは、個人間で気軽に商品の売買ができる日本最大級のオークションサイトです。
また現在では、個人間での利用だけでなく、企業が販売プラットフォームとしてヤフオクを利用していることも影響し、利用者は年々増加している一方で、ヤフオクを悪用した詐欺が横行しています。
そこでこの記事では、
- ヤフオク詐欺で良くみられる手口とは
- ヤフオク詐欺の対策
- ヤフオク詐欺の返金方法
これらについて、解説していきます。
ヤフオク詐欺で良くみられる手口とは
ヤフオク詐欺はどのような手口で行われているのでしょうか。
ヤフオク詐欺で良くみられる手口をご紹介します。
商品が届かない
「落札した商品が届かない」といった事例は、ヤフオク詐欺で良くみられる代表的な被害です。
商品代金を入金したにもかかわらず、商品が発送されず商品代金を騙し取られてしまいます。
商品が届かないトラブルに巻き込まれないために、追跡番号がある配送方法を選ぶだけでなく、発送連絡がないまま一定期間が経過した場合は、すぐに支払いキャンセルをするようにしましょう。
届いた商品に問題がある
ヤフオク詐欺では、落札したものと違う商品が送られてきたというケースも多く確認されています。
「ブランド品を落札したのにコピー商品だった」
「箱の中身を確認したら空だった」
こういった事例も確認されています。
送られてきた商品の中身を確認せずに受け取り評価をしてしまうと、返品や返金に関するトラブルに発展しやすいため、必ず商品を確認してから受け取り評価をするようにしましょう。
送料詐欺
オークションサイトにおける送料詐欺とは、商品価格は安いものの、送料が高額に設定されている手口のことです。
ヤフオクでは、ヤフオクのガイドラインで定められている料金以外の請求を禁止しています。
送料等とは、以下の範囲とします。
a 運送業者に委託する場合
運賃および代金引換手数料、速達、書留、冷凍、冷蔵等の運送業者に支払うオプションサービスの手数料の実費、および運送業者が指定する運送用梱包(こんぽう)資材の代金b 自ら落札者の元へ配送する場合
運送業者に委託した場合の運賃相当額を上回らない金額c 物流代行業者等に業務を委託する場合
運送業者に委託した場合の運賃相当額を上回らない金額
そのため、商品価格が安いものを落札したにもかかわらず、過剰な送料を請求された場合は、ガイドラインに違反している出品があることをYahoo!JAPANに申告するとよいでしょう。
また、ヤフオクではガイドラインに違反している出品は見つかり次第、商品を削除しています。
落札する際は、必ず送料の確認までするようにしてください。
ナイジェリア詐欺
ナイジェリア詐欺とは、ヤフオクで横行している詐欺の手口です。
ヤフオクの出品者に対し、「ヤフオク経由ではなく直接お金を振り込むから、代金支払い後に商品を発送してくれないか?」といった内容のメールや質問が英語で届きます。
直接取引に応じると、「急ぎで商品が必要になったので、すぐに送ってほしい。商品到着後に必ず支払う」などと言われ、要求通りに商品を送付すると、代金を支払われることなく商品を騙し取られてしまいます。
そのため、英語やカタコトの日本語でヤフオク外での直接取引を依頼された場合は、ナイジェリア詐欺の被害に巻き込まれる可能性があるため、くれぐれもご注意ください。
フィッシング詐欺でIDを乗っ取られる
「Yahoo!JAPAN」や「ヤフオク!」を騙るフィッシングメールが届き、記載されたURLリンクを開くと本物そっくりの偽サイトが開き、そこでIDやパスワードを入力すると、ログイン情報が盗み取られてしまいます。
盗まれた情報を悪用し、アカウント本人に成りすまして商品を不正に出品したり、落札したりする被害が発生しています。
フィッシング詐欺を防ぐためには、メールやSMS内のリンクはクリックせず、公式サイトや公式アプリから情報を確認するようにしてください。
フィッシング詐欺の詳しい手口はこちらの記事をご参照ください。
返品すり替え詐欺
返品すり替え詐欺とは、出品者から商品を受け取り後、クレームなどをつけて偽物の商品や状態の悪い商品とすり替えて返品し、商品を騙し取る手口です。
ブランド品の出品時によく見られる手口で、商品をすり替えられてしまった場合、その証明が難しいため、泣き寝入りになってしまうかもしれません。
そのため、出品する際は、シリアルナンバーや固体番号があるものは控えをとり、すり替え防止のプロテクションタグを活用するなど、事前のすり替え防止対策を行うことが大切です。
ヤフオク詐欺の対策
ヤフオクをはじめとするオークションサイトは、オークションの「取引場」を提供するプラットフォームであるため、取引で発生したトラブルには介入せず、当事者間での解決が求められています。
ですが、相手が悪意のある詐欺師であった場合、当事者間での解決は望めない可能性もあります。
そのため、ヤフオクを利用する際は被害に遭わないための対策が必要です。
そこで、ヤフオク詐欺の被害を防止するための対策をご紹介します。
出品者の評価・出品情報を確認する
ヤフオクで商品を落札する際は、出品者の評価や出品情報の確認をするようにしましょう。
悪い評価が多い場合や、新規アカウントで取引履歴がない場合は、取引を避けた方が良いかもしれません。
出品者の評価を確認することで、出品者が信頼できる人物かどうかを見極める判断材料のひとつとなります。
あわせて出品情報の確認も行いましょう。
中には、「ノークレームノーリターン」と記載し、問題のある商品を送り付けて返品やクレームを受け付けないとする悪質な出品者も見られています。
また、「掲載画像はイメージです。箱だけ、写真のみの販売です」などと記載されていることもあり、届いた商品を確認したら箱だけだった、というトラブルも発生しています。
トラブルを未然に防ぐ対策になりますので、出品者の評価や出品情報は落札前に確認しましょう。
エスクローサービスを利用する
エスクローサービスとは、ネットオークションにおける個人間の取引を代行する仲介専門業者のことです。
落札者はエスクロー会社に代金を支払い、出品者から送付された商品を落札者が受け取ったことが確認できたら出品者に購入代金が送金されるシステムです。
エスクローサービスを利用することで、商品の受け渡しや代金の支払いが確実に行われるため、高額な商品の取引も安全に行うことができます。
出典:ヤフオク
2018年以降、ヤフオクでは代金の支払い方法を「Yahoo!かんたん決済」のみとしているため、すべての取引でエスクローサービスが適用されています。
ヤフオクのトラブル口座リストを確認する
ヤフオクでは、自動車やオートバイなど一部のカテゴリでは、「Yahoo!かんたん決済」以外の支払い方法を選択することができます。
「Yahoo!かんたん決済」以外の支払い方法を選択した場合、エスクローサービスが適用されないため、高額な取引の場合は注意が必要です。
特定カテゴリに該当する商品代金の支払いを銀行振込で行う場合、トラブル口座リストで該当口座がないか、確認してみるとよいでしょう。
トラブル口座リストはこちらのURLからご確認ください。
⇒https://support.yahoo-net.jp/SccAuctions/s/article/H000008978
特定カテゴリに該当する高額商品の取引を行う場合、トラブルを防ぐためにも「Yahoo!かんたん決済」の利用をおすすめします。
オークションサイト以外で取引しない
悪質な出品者は、オークションサイトを介さない取引を持ち掛けてくる場合があります。
オークションサイトを介さず直接やり取りすることで手数料分が節約できるなどといい、直接取引を持ち掛けてくる出品者もいますが、絶対に応じてはいけません。
なぜなら、トラブルが発生した際、補償やトラブル対応が受けられないからです。
オークションサイトを介さず取引すると、更なるトラブルに巻き込まれる可能性がありますので、くれぐれもご注意ください。
ヤフオク詐欺の返金方法
「ヤフオクで詐欺被害に遭った場合、返金できるのか?」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
ヤフオクでは、取引上のトラブルは当事者間での解決が基本とされているため、運営は解決のために介入してくれないことがほとんとです。
では、どうしたらお金を取り戻せるのでしょうか。
そこで、ヤフオク詐欺で考えられる返金方法をご紹介します。
ヤフオクの補償制度を利用する
ヤフオクでは、商品に傷がついていた、サイズが合わなかったなど、受け取った商品に満足できなかった場合に見舞金として落札額と同額のPayPayポイントが付与される「商品満足サポート」という制度が用意されています。
ですが、最大1万円までの補償となっています。高額商品では適用されないため注意が必要です。
警察に相談する
ヤフオク詐欺の被害に遭った場合、警察に被害届を提出することで、犯人逮捕につながる可能性があります。
警察に被害届を提出する際、以下の情報や資料が求められています。
- 対象となったオークションID
- 相手方のYahoo!JAPAN ID
- 送金先の銀行名、口座番号、宛先(商品送付の場合には送付先住所、宛名)
- 送金(または商品の送付)を証明する証拠の写し
- 相手とのメールの交換記録(メールの記録はヘッダー情報を全部表示して印刷する)
- 具体的な状況を説明するメモ
Yahoo!JAPANは、警察から捜査関係次項照会書の送付を受けた場合、捜査に協力しているということです。
ただし、犯人が逮捕された場合でも騙し取られたお金の返金請求は困難である可能性が非常に高いと考えられます。
なぜなら、警察の役割は犯人を捕まえることであり、仮に犯人が逮捕されたとしても、犯人に返済能力がなければ返金は不可能だからです。
返金される可能性は低いかもしれませんが、警察に被害届を提出することは有効な手段ですので、まずは警察に相談するとよいでしょう。
内容証明を送付する
ヤフオクで詐欺に遭った場合、内容証明郵便を送付することも有効な手段です。
内容証明郵便とは、「いつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出されたか」ということを公的に証明してくれる手紙のことです。
内容証明郵便を送ることで、相手に督促したという証拠を残せるだけでなく、返金請求に対する本気度を証明することができます。
内容証明郵便の書き方は、ヤフオクの公式HPで紹介されていますので、あわせてご参照ください。
少額訴訟を起こす
返金を求めるために、少額訴訟を起こすことも有効な手段だと考えられます。
少額訴訟とは、60万円以下の支払いを求める場合に利用できる簡易的な訴訟のことです。
少額訴訟は1回の期日で審理が完了するため、原告側の負担が少なく済むことが特徴です。
少額訴訟は勝率90%と言われており、勝訴した場合には少額訴訟を起こすためにかかった費用などを被告側に請求することができますが、証拠書類の作成など入念な準備が必要であるため、商品代金との兼ね合いも考えて検討するとよいでしょう。
ヤフオク詐欺には要注意!
いかがでしょうか。
この記事では、ヤフオク詐欺の手口や被害防止対策、返金方法を解説しました。
ヤフオクでは、詐欺被害を未然に防止するための対策が取られているため、ヤフオク詐欺の被害は減少しつつあるものの、いまだ撲滅には至っていません。
また、何度もヤフオクを利用している場合には、今までトラブルになったことがないといった油断から、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。
ヤフオク詐欺の被害を防ぐためには、ヤフオク詐欺の手口や被害防止対策を事前に知っておくことが何より大切です。
この記事を通して、一人でも多くの方がオークション詐欺の被害を防げることを願っています。