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近年、女性が年上の男性と食事やデートをする対価としてお金を受け取る「パパ活」が注目を集めました。
パパ活は、食事やデートをするだけで高額の報酬を受け取れるだけでなく、誰でも気軽にできることから、話題になりました。
そんなパパ活の裏には、詐欺被害に巻き込まれるリスクがはらんでいます。
そこでこの記事では、パパ活に潜む詐欺被害や被害の相談先、「お金を返せ」と言われた場合の対処法や返金方法について、解説していきます。
パパ活とは
パパ活とは、経済的に余裕のある男性が、女性と食事やデートなど一緒の時間を過ごす対価として報酬を払うことです。
パパ活では、知人からの紹介や、パパ活専用アプリ・パパ活サイトなどを介して知り合うことが多いようです。
アプリやサイトは便利な一方で、男女ともに詐欺被害に巻き込まれる可能性もはらんでいます。
次項では、パパ活で起こりうる詐欺被害を、男性・女性別にご紹介していきます。
パパ活詐欺で起こる被害
パパ活では、女性側の被害・男性側の被害それぞれトラブルが確認されています。
そこで、男性・女性別でよく見られるパパ活詐欺の被害をご紹介します。
男性側の被害
では、まずはじめに男性側で起こる被害をご紹介します。
Twitterでお金を騙し取られる被害
女性がTwitter上で「今から一緒に食事してくれる人を探しています」などのツイートで男性を募り、「PayPayで5000円の先払いが確認できたら待ち合わせ場所に行きます」などと嘘をつき、お金だけ騙し取る手口が発生しています。
Twitter上で同様の手口による被害が数多く確認されているため、くれぐれもご注意ください。
PayPay送金詐欺の手口はこちらの記事で詳しく解説しています。
嘘の情報でお金を騙し取られる被害
近年、「頂き女子」という詐欺事例が発生しています。
「頂き女子」とは、男性の恋愛感情を利用して、嘘の情報でお金を騙し取る詐欺師のことです。
女性と食事やデートの対価としてお金を支払うパパ活とは大きく違い、頂き女子は相手を騙してお金を騙し取るという明確な詐欺の手口が使われています。
頂き女子による詐欺被害については、こちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
女性側の被害
次に、女性側で起こる被害をご紹介します。
女性側で起こる被害は、身の危険や詐欺被害など、男性側に比べて深刻な被害であることが多くありますので、女性の方は十分ご注意ください。
お金を騙し取られる被害
「パパ活なのに、お金を騙し取られるってどういうこと?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
パパ活詐欺では、高額な契約金を餌に、「会社の経費で支払うために税金がかかるから、少し貸してくれないか」などと言われ、お金を騙し取られてしまう被害が確認されています。
相場より高額な契約を持ち掛けられた女性は「後で高額なお金がもらえるから…」と、ついお金を貸してしまうのです。
そして、お金を支払ったにもかかわらず男性とは音信普通になってしまいます。
相場より高い契約金を掲示された場合は、詐欺被害や別の事件に巻き込まれる可能性があるため、くれぐれもご注意ください。
お金を払わず逃げられる被害
パパ活詐欺では、女性に対し「パパ活で支援したいので、食事に行きましょう」などと誘い、食事代など一切払うことなくその場からいなくなってしまうという被害が多く発生しています。
女性がお手洗いに行っている間に逃亡したり、仕事の電話で席を立ったまま戻ってこなかったりなどの手口が確認されています。
また、パパ活では売春行為が伴う場合も多々あり、体の関係をもったにもかかわらず、約束の金銭を払うことなく男性が逃亡するという被害も発生しています。
「振込で支払う」「ATMでお金をおろしてくる」などと嘘をつき、お金を支払わず逃亡する手口や、偽のお金を渡すというより悪質な手口も確認されています。
クレジットカード詐欺の被害
パパ活詐欺では、男性が女性に対し、「愛人になってくれたら月々20万円支払う」などと持ち掛け、「一度クレジットカードを預からせてくれたら、経営する会社の経費で支払えるように手続きする」などと嘘をつき、クレジットカードを騙し取る詐欺被害が発生しています。
その他にも「上限を上げるからクレジットカードを貸して」「僕の口座から引き落としになるように変更するから」などと言ってクレジットカードを騙し取る手口も確認されています。
騙し取られたクレジットカードは上限いっぱいまで不正利用されるだけでなく、男性とも連絡がつかなくなってしまいます。
どんな理由があってもクレジットカードを他人に渡さないよう、くれぐれもご注意ください。
パパ活詐欺は罪に問うことができるのか?
パパ活に関するトラブルはたびたび報告されており、警察や弁護士に相談する方もいらっしゃいます。
そこで、パパ活詐欺に関するトラブルにおける男性・女性別の対応法をご紹介します。
男性側の被害の場合
Twitterでお金を騙し取られる被害の場合
Twitterでお金を騙し取られる被害に遭った場合は、警察に被害届を提出しましょう。
被害額が少額であることや、犯人の身元が不明であることが多いため、警察が積極的に犯人逮捕へ動く可能性は低いかもしれませんが、同様の手口で複数の被害届が出されていた場合は悪質性が高い事案として、警察が動く可能性があります。
嘘の情報でお金を騙し取られる被害の場合
嘘の情報でお金を騙し取られる、いわゆる「頂き女子」による詐欺被害の場合は、刑法第246条の詐欺罪が適用される可能性があります。
そのため、頂き女子による詐欺被害を受けた場合は、速やかに警察に被害届を提出してください。
女性側の被害の場合
売春行為を伴う場合は民法90条「公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。」と定められているため、民事事件として体の関係に対する対価を請求することは難しいと考えられます。
この場合には刑事事件として詐欺利得罪が成立することもありますが、売春における被害事例で詐欺利得罪が成立するかは過去の裁判例でも結論が割れています。
ですが、例えば「偽のお金を支払った」「偽造した小切手を渡した」という場合は、刑法162条「有価証券偽造罪」で刑事罰に問える可能性もあるのです。
また、「行為中の動画をバラまく」「会社にばらす」といった脅迫行為が伴っていた場合は、脅迫罪や強要罪、恐喝罪で刑事罰に問える可能性があります。
そのため、一括りに「パパ活詐欺の被害」とは言っても、ケースによって罪に問える場合と問えない場合があります。
パパ活詐欺で被害に遭った場合は、まずは一度、警察に相談してみることが一番良いかもしれません。
お金を返せと言われた場合は?
男性側から突然、「今まで渡したお金を返せ」などと言われた場合、女性側に返金義務はあるのでしょうか?
結論からお伝えしますと、ケースによって異なりますが、女性側に返金義務は生じません。
なぜなら、食事やデートの対価として報酬を受け取った場合には「贈与」となり、民法第550条により、受け取ったものは原則として返還する義務はないとされています。
また、売春行為に対する対価の返金義務もありません。売春行為は民法第90条の公序良俗に反し違法であり、違法な原因に基づいて支払われた報酬は「不法原因給付」となり、法律で返還請求できないと規定されています。
「売春自体が違法だから女性側を訴える」と脅される場合もあるかもしれませんが、こういった行為は脅迫罪や恐喝罪に当たる可能性があるだけでなく、売春は違法ではありますが刑罰がないことが現状です。
売春禁止法は売春自体を罰するものではなく、売春を斡旋する行為を罰する法律だからです。
ただし、男性・女性間で返還することを約束してお金を受け取った場合には、「消費貸借契約」が成立していたとして返還義務が生じます。
ですが、中には「あのお金は貸したものだった」と主張する男性もいらっしゃいますが、貸したものである証明が必要であり、証明ができなければ贈与したとみなされ、返還義務は生じません。
パパ活詐欺などの男女トラブルは相談を!
この記事では、パパ活で起こり得る詐欺被害や、詐欺行為を罪に問えるか、について解説しました。
パパ活で詐欺被害に遭った場合は、まずは速やかに警察に相談してみると良いかもしれません。
ですが警察では「民事不介入の原則」があるため、騙し取られたお金の返金対応まではしてくれません。
男女トラブルや出会い詐欺のトラブルに巻き込まれて返金を望む場合は、まずは一度、詐欺返金110番までご相談ください。
ご相談者様のプライバシーを守りながら被害回復に向けた各種サポートを無料で行いますので、どうぞご安心ください。