目次
融資を申し込んだはずなのに、現金を騙し取られてしまうという、融資保証金詐欺の被害が後を絶ちません。
融資保証金詐欺は、若い世代の方が被害に遭いやすく、注意が必要な特殊詐欺のひとつです。
そこでこの記事では
- 融資保証金詐欺とは?被害状況の内訳
- 融資保証金詐欺の手口
- 融資保証金詐欺の被害事例
- 融資保証金詐欺の被害防止対策
これらについて、詐欺返金110番が丁寧に解説します。
融資保証金詐欺とは
融資保証金詐欺とは、融資を受けようとしている人に対し、「低金利」「即日融資」などと謳ったチラシやFAX、電子メールなどを送り付け、実際には融資しないにもかかわらず、融資する前の保証金や手数料などの名目で、お金を騙し取る詐欺の手口です。
繰り返し金銭を要求される場合もありますが、何度支払っても融資を受けられることはありません。
「保証金は返金される」などの言葉でお金を騙し取ったあとは、貸金業者とは連絡が取れなくなります。
融資保証金詐欺の最新の被害状況
警視庁の最新データによる、令和5年1月~5月における融資保証詐欺の被害状況の内訳をご紹介します。
引用:警視庁「特殊詐欺認知・検挙状況等について」令和5年度1月~5月
(2-5)融資保証金詐欺 男(%) 女(%) 19歳以下 0.0% 0.0% 20~29歳 14.9% 6.8% 30~39歳 16.2% 6.8% 40~49歳 21.6% 2.7% 50~59歳 14.9% 1.4% 60~64歳 9.5% 1.4% 65~69歳 1.4% 0.0% 70~79歳 0.0% 1.4% 80~89歳 1.4% 0.0% 90~99歳 0.0% 0.0% 100歳以上 0.0% 0.0% 合計 79.7% 20.3%
上記の表から分かる通り、融資保証金詐欺の被害者は、40代が一番多く、次に30代、20代の順に多い結果となっています。
また、男性が約8割を占める結果となっていることから、新たに事業を始めようとしている方、事業継続のための融資を検討している方などが、ターゲットになっていることが考えられます。
若い世代ですと、「まさか自分が詐欺被害に遭うとは」と考える方も多くいらっしゃいますが、常に詐欺を疑い、対策をとることがとても大切です。
融資保証金詐欺の手口
融資保証金詐欺は、個人事業主の方や、小規模の会社などが狙われやすいと言われています。
ではいったい、どのような手口でお金を騙し取っているのでしょうか。
そこで、融資保証金詐欺の手口を解説していきます。
1.貸金業者を装う
金融保証金詐欺を行う犯人は、実在する金融機関や、銀行や大手企業、国や地方公共団体などのグループ会社を装っているケースが多く見受けられます。
また、社名やロゴマークなどを印刷物やHPに掲載したり、登録事業者であると虚偽の表示をしているなど、巧妙な偽装を行っていることもあります。
そして、電子メールやFAX、チラシなどを送り付け、ターゲットを誘い出しています。
2.手数料名目でお金を騙し取る
融資を申し込んできた人に対し、保証金や手数料などの名目で、支払いを要求してきます。
- 返済実績を作るため、○○円振り込んでください
- 信用状況確認のためお金を振り込んでください
- 取引実績を重ねないと融資限度額が上がりません
- 保証金は融資実行後に返金する
様々な名目で、繰り返し支払いを要求されることがありますが、何度支払いをしても、実際に融資を受けられることはありません。
「先に支払ったお金は必ず返す」といった言葉は、融資保証金詐欺の常套句です。
また、正規の貸金事業者は、融資をする前に保証金や保険料、手数料などの名目でお金を振り込ませることは絶対にありません。
こういった内容に騙されないよう、くれぐれもご注意ください。
融資保証金詐欺の被害事例
ではここで、実際に発生した融資保証金詐欺の被害事例をご紹介します。
被害事例1
融資保証料名目で50万円を騙し取られた男性の被害事例をご紹介します。
会社を経営している男性が、FAXでチラシを送ってきた消費者金融業者に融資申し込みをしました。
後日、消費者金融業者から「500万まで融資できます。融資を実行するために、融資額の10%の保証料が必要です」と言われ、男性は友人らに借金するなどし、指定された口座に50万円を振り込んだといいます。
男性は、これで融資が受けられると思っていましたが、消費者金融業者から「信用状況確認のため50万円を一時的に振り込んでください。融資実行の際に返還されます」といった内容の電話がかかってきました。
男性は追加の50万円を準備することができなかったため、融資を受けることを諦め、保証金の返還を要請しましたが、「後日返金する」と言われたまま、結局返金を受けることはできず、業者とも連絡が取れなくなったということです。
被害事例2
融資の保証金名目で約350万円を騙し取られた男性の被害事例をご紹介します。
被害者は、建築業を営む40代の男性でした。
2023年5月中旬、被害男性の自宅兼事務所に「融資承認証明書」と書かれたFAXが届きました。
男性が融資希望額や個人情報を記入して返信したところ、「事務手数料や特約担保金を支払ってほしい」などと電話があり、指定されたインターネット銀行などの口座に、4回にわたって振り込んだということです。
男性は、融資会社と電話した際に、事務手数料や特約担保金を振り込んでから1か月後に返金すると言われたにもかかわらず、返金されないことを不審に感じ、警察に相談し、事件が発覚。
警察は「融資手数料を振り込めは詐欺です」と注意を呼び掛けています。
融資保証金詐欺の対策3選
事業を立ち上げたい方や、融資を希望している方にとって、融資保証金詐欺の被害はどうしても避けたいところですよね。
そこで、融資保証金詐欺の被害に遭わないための対策3つをご紹介します。
誇大広告には気を付ける
「即日融資」「低金利」「保証人不要」「ブラックOK」など、好条件を謳っている場合には、詐欺を疑いましょう。
融資保証金詐欺をはじめ、様々な詐欺は好条件や好待遇を謳い、ターゲットを呼び集めています。
このような言葉を使用している広告は、詐欺である可能性が高いため、十分ご注意ください。
登録事業者の情報を確認する
貸金業者の情報を確認することがとても大切です。
悪質な貸金業者は、実在する貸金業者を装っている場合もあります。
実在する会社名であれば、記載されている電話番号が一致するか、必ず確認するようにしましょう。
ただし、絶対にFAXやチラシ、メールなどに記載されている番号には電話をかけないよう、くれぐれもご注意ください。
融資前に支払いが必要な場合は詐欺
正規の貸金事業者は、融資をする前に保証金や保険料、手数料などの名目でお金を振り込ませることは絶対にありません。
そのため、融資を申し込んだにもかかわらず、先に支払いを求められた場合は、100%詐欺だと考えてください。
融資保証金詐欺には要注意!
融資保証金詐欺の被害は、高齢者より若い世代の方が被害に遭いやすい傾向にあります。
これから事業を始めたい方、事業継続のための融資を検討している方にとって、融資保証金詐欺の被害は避けたいですよね。
高齢者だけでなく、若い世代でも詐欺被害に遭ってしまうということを忘れず、常に対策をとっておくことが何よりも大切です。
高齢者の被害が多い振り込め詐欺については、こちらの振り込め詐欺の返金方法を解説記事で詳しくご紹介していますので、あわせてご参照ください。