行政処分を受けた投資顧問まとめ
 
   
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目次

 

投資顧問業界は、資産運用のアドバイスを提供する重要な役割を担っていますが、その信頼性を損なう行為が発覚した場合、行政処分が下されることがあります。

 

小暮

投資顧問が行政処分を受けると、悪質な行為や詐欺行為があったのか!?って心配になるよな!

 

ユカリ

どうして行政処分を受けたのか知りたいって人も多いかもね。

 

そこでこの記事では、過去に行政処分を受けた投資顧問会社とその理由について詳しく解説します。

これまでに行政処分を受けた投資顧問の具体的な事例を通じて、リスク回避や信頼できる投資顧問の選び方についても学ぶことができるため、ぜひ参考にしてください。

 

 

投資顧問の行政処分とは

投資顧問の行政処分とは

 

まずはじめに、投資顧問・代理業における行政処分の定義や種類、プロセスについて解説します。

 

投資顧問における行政処分の定義と種類

 

投資顧問における行政処分とは、金融庁や証券取引所などの規制機関が投資顧問業者に対して行う処分のことを指します。

これは、法令遵守や顧客保護の観点から行われ、業界の健全性を保つための重要な手段と言えるでしょう。

 

桐生

投資顧問を安心・安全に利用するためには必要不可欠だな。

 

行政処分の種類としては、以下のようなものがあります。

 

行政処分の種類

1. 警告:業務運営や法令遵守に関する軽微な違反があった場合に対して行われる処分。再発防止を促すための措置として行われることが多い。

2. 指導:業務改善や法令遵守のための具体的な指導を行う処分。問題の改善を促すために行われることが多い。

3. 告知:行政処分の内容や理由を公表し、業界全体に向けて警告を行う処分。業界全体の健全性を保つために行われることが多い。

4. 罰金:法令違反や重大な問題があった場合に課せられる処分。金銭の支払いを通じて責任を問うことが目的となる。

5. 業務停止:業務の一部または全体を停止させる処分。重大な法令違反や顧客保護の観点から業務を一時停止させることがある。

6. 業務取消:業務免許を取り消す処分。重大な法令違反や業務運営の問題が継続的にあった場合に行われる厳しい処分である。

 

吉村

警告が最も軽く、業務取消が最も厳しい処分となっているぞ。

 

 

投資顧問における行政処分のプロセス

 

投資顧問に対する行政処分は、金融庁や証券取引所などの金融監督機関によって行われます。

 

小暮

以下の手順に沿って行政処分が行われているぞ!

 

1. 監督機関の調査:金融監督機関は、投資顧問が法令や規制に違反している可能性がある場合、その事実関係を調査します。調査は、書類の提出や聴取などの手続きを通じて行われます。

2. 違反の確認:調査の結果、投資顧問が法令や規制に違反していると判断された場合、監督機関はその違反行為を確認します。この際、投資顧問に対して違反行為を説明し、反論の機会を与えることが一般的です。

3. 行政処分の決定:違反が確認された場合、金融監督機関は適切な行政処分を決定します。行政処分には、警告、指導、罰金、業務停止、業務取消などが含まれます。処分内容は、違反の程度や過去の違反歴などを考慮して決定されます。

4. 行政処分の履行:投資顧問は、金融監督機関からの行政処分に従って、指示された措置を実施しなければなりません。また、金融監督機関は、処分の履行状況を監視し、必要に応じて追加の措置を取ることもあります。

 

ヒロシ

つまり、いきなり行政処分が下されるのではなく、いくつかのプロセスを経て実行されているってわけだ。

 

 

投資顧問業界における行政処分の背景

投資顧問業界における行政処分の背景

 

投資顧問業界の現状を把握し、なぜ行政処分が行われるのか、その主な理由を具体的に解説します。

 

投資顧問業界の概要

 

投資顧問とは、個人や法人向けに資産運用や投資に関するアドバイスやサービスを提供しています。

 

ユカリ

株式銘柄の売買指示や推奨銘柄の販売などをイメージすると分かりやすいかもです!

 

投資顧問・代理業は規制が厳しいため、金融商品取引業者の登録を受ける必要がありますが、中には登録をせずに詐欺・違法行為を働く悪質な投資顧問会社もあるため注意が必要です。

行政処分の対象は、金融庁に登録されている投資顧問・代理業の会社で、無登録の投資顧問は行政処分の対象ではありません。

 

桐生

無登録で投資顧問・代理業を行うことはシンプルに違反となるため、「5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」とされているぞ。

 

 

行政処分を受ける主な理由

 

投資顧問が行政処分を受ける理由は様々ですが、一般的には以下のような理由が挙げられます。

 

1. 法令違反:投資顧問は金融商品取引法や金融商品取引業法などの法律や規制に従って業務を行う義務があります。法令違反が発覚した場合、行政処分を受ける可能性があります。

2. 顧客保護の不履行:投資顧問は顧客の利益を最優先に考え、適切なアドバイスやサービスを提供する責任があります。顧客保護の不履行が発覚した場合、行政処分を受ける可能性があります。

3. 詐欺行為や不正行為:投資顧問が顧客からの資金を不正に横領したり、虚偽の情報を提供して投資を勧誘するなどの詐欺行為や不正行為が行われた場合、行政処分を受ける可能性があります。

4. 業務の適正な運営の欠如:投資顧問は適切なリスク管理や内部統制を行う責任があります。業務の適正な運営が欠如していた場合、行政処分を受ける可能性があります。

 

ユカリ

つまり、投資顧問は法令順守や顧客保護、不正行為の防止、適正な業務運営などに気を配らなければならず、それらに違反すると行政処分を受ける可能性が高いってことね。

 

 

行政処分を受けた投資顧問会社

行政処分を受けた投資顧問会社

 

ではここで、実際に行政処分を受けた投資顧問会社のケーススタディをご紹介します。

 

あすなろ投資顧問

 

株式会社あすなろが運営している「あすなろ投資顧問」は、以下の理由で行政処分を受けています。

 

あすなろ投資顧問の行政処分
  • 顧客に対し、忠実な投資助言業務を行っていなかったこと
  • 特定の顧客に対し、配信前に銘柄情報を伝達し、売買等の助言を行っていたこと
  • 情報管理や内部管理の体制が不十分で、投資顧問契約の適切性を確認するモニタリングが行われていなかったこと

     

    以下は、財務省 関東財務局に掲載されていた行政処分の内容です。

     

    顧客のため忠実に投資助言業務が行われていない状況

    特定の顧客に対し、単発スポット銘柄の配信前に銘柄情報を伝達し、売買等の助言を行う行為等

    当社は、原則週1回、上場株式1銘柄の買付けを推奨する投資助言を行っており、所定の日時に銘柄名や買付推奨価格等をメール又は自社ウェブサイトにおいて配信(その際配信される銘柄を以下「単発スポット銘柄」という。)している。

    こうした中、当社における投資助言業務統括者である甲部長は、令和4年5月から同5年3月までの間に配信した単発スポット銘柄55銘柄のうち、顧客Aに対しては少なくとも6銘柄について、顧客Bに対しては少なくとも16銘柄について、以下の流れで不適切な行為を行っている事実が認められた。
    ⅰ.甲部長は、単発スポット銘柄の配信を行う約1週間前に、社内での検討を踏まえつつ投資助言を行う1銘柄を決定する。

    ⅱ.単発スポット銘柄が決定すると、当該銘柄の配信前に、顧客2名に対し、スマートフォンのメッセージアプリ等において当該銘柄の買付けを助言する。

    ⅲ.単発スポット銘柄の配信日(寄付き前)に、顧客2名に対し、ⅱ.と同様の方法により、当社が配信する買付推奨価格の上限付近の価格等を指値とする売付けを助言する。

    ⅳ.単発スポット銘柄の株価が売り指値まで上昇しない場合は、指値を下値に訂正するなど、早く売り抜けるよう助言する。

    ⅴ.一連の助言を受けた顧客2名は、事前に買い付けた単発スポット銘柄を配信日(寄付き後)に売り抜け、顧客Aは少なくとも239万円、顧客Bは少なくとも306万円の利益を得ている。

    また、甲部長は、上記行為に加え、令和4年9月から同5年3月までの間、一部の顧客に対し、単発スポット銘柄の配信前に、銘柄名は伝達しないものの、どの程度の価格の銘柄かなどを伝達し、配信直後に銘柄名を伝達したらすぐに発注できるよう、準備を依頼したうえで、配信直後に当該銘柄名や成行注文による買付けなどを助言していた。

    上記の行為を見過ごし、かつ、これを防止する態勢を構築していない状況

    当社は、単発スポット銘柄の決定を行ってから配信を行うまでの情報管理方法に係る規定を定めておらず、情報の取扱いについて徹底した指導も行われていないほか、業務時間中のスマートフォンの管理を厳格に行っていないなど、情報管理が不十分な状況であった。さらに、甲部長の上記(1)ⅱ.、ⅲ.及びⅳ.の行為は、投資顧問契約の締結の勧誘を目的の一部として行われていたものであるが、当社は、当該勧誘の適切性を確認するための実効性あるモニタリングも行っておらず、上記(1)の行為を防止するための内部管理態勢を構築していない状況であった。

    このため、当社は、甲部長が上記(1)の行為を、長期間にわたり、業務時間中に執務室の自席で行っていたにもかかわらず、これを見過ごしていた。

    当社が、上記(2)のとおり甲部長の行為を見過ごし、かつ、これを防止する態勢を構築しないまま、一般の顧客に単発スポット銘柄を助言すること、また、甲部長が、その業務に関し、当社の特定の顧客(顧客A及びB)に対して、事前に助言銘柄を伝達するとともに売買等の助言を行うこと及び当社の一部の顧客に対して、事前に発注方法の助言等を行うことは、配信日における一般の顧客の取引に基づく価格の変動を利用して特定の者の利益を図るために行われた行為であり、これは一般の顧客と特定の者との間の公平性の観点や、利益相反の観点から問題があるなど、正規の手続きにより投資顧問契約を締結した多くの一般の顧客をないがしろにし、その信認を裏切るものである。このような当社の業務運営の状況は、顧客のため忠実に投資助言業務を行っていない状況と認められ、金融商品取引法第41条第1項に定める「忠実義務」に違反するものと認められる。

    以上のことから、本日、当社に対し、下記(1)については金融商品取引法第52条第1項の規定に基づき、下記(2)については同法第51条の規定に基づき、以下の行政処分を行った。

    業務停止命令
    新たな投資顧問契約(契約金額の増額を伴う変更契約を含む。)の締結に係る勧誘・契約締結を令和6年6月5日から同年8月4日まで停止すること。
    業務改善命令
    1)本件の発生原因を分析し、適切な業務運営態勢及び内部管理態勢の構築を含む再発防止策を策定・実施すること。
    2)全ての顧客に対し、今回の行政処分の内容を説明し、適切な対応を行うこと。
    3)本件法令違反行為の責任の所在を明確にすること。
    4)上記1)から3)の対応状況について、令和6年7月5日までに書面により報告すること。

    株式会社あすなろに対する行政処分について

     

     

    AAA投資顧問

     

    AAA投資顧問は2019年、以下の理由で行政処分を受けています。

     

    トリプルエー投資顧問の行政処分
    1. 電話勧誘における虚偽の告知
    2. メールマガジン等における虚偽の告知

     

    以下は、証券取引等監視委員会(SESC)の公式サイトに掲載されていた行政処分の内容です。

     

    1.勧告の内容
    関東財務局長がAAA投資顧問株式会社(東京都中央区、法人番号8011001056072、資本金101万円、常勤役職員8名、投資助言・代理業)を検査した結果、下記のとおり、当該金融商品取引業者に係る問題が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分を行うよう勧告した。

    2.事実関係
    AAA投資顧問株式会社(以下「当社」という。)は、当社ウェブサイトに無料会員登録をした者(以下「見込顧客」という。)に対して、電話やメールマガジンの配信等により、投資顧問契約の締結の勧誘を行っているが、平成30年4月から同年11月までの間の勧誘状況を確認したところ、以下の法令違反行為が認められた。

    (1) 金融商品取引契約の締結の勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為
    ア.電話勧誘における虚偽告知
    当社の代表取締役社長(以下「当社代表」という。)は、見込顧客に対する電話勧誘において、投資助言の実績がない銘柄について、事実に反して「4.5倍の利益をお届けしました」等の虚偽の内容を告げて投資顧問契約の締結の勧誘を行った(少なくとも66名に勧誘し、18名が当社と投資顧問契約を締結)。
    イ.メールマガジン等における虚偽告知
    当社は、見込顧客に対して送信したメールマガジン等において、実際には特別な情報を入手していないにもかかわらず、事実に反して「外部に漏らしてはいけない重要な秘密情報になります、禁断の裏話、裏情報、私どもも目を疑うような、“とびきりの情報”」等の虚偽の内容を告げて投資顧問契約の締結の勧誘を行った(延べ約8,000名に勧誘)。

    当社の上記行為は、金融商品取引法第38条第1号に掲げる「金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為」に該当するものと認められる。

    (2) 金融商品取引契約の締結の勧誘に関して、重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為
    当社は、見込顧客に対して送信したメールマガジンにおいて、投資助言後の一部期間における株価上昇率を取り出し、これをあたかも投資助言後の全ての期間を通じた実績であるかのような誤解を生ぜしめるべき表示を行い、投資顧問契約の締結の勧誘を行った(延べ約39,000名に勧誘)。

    このように、当社は、投資顧問契約の締結の勧誘に関して、顧客に対し、投資助言の実績という重要な事項に関し、誤解を生ぜしめるべき表示により勧誘を行っていたものと認められる。

    当社の上記行為は、金融商品取引法第38条第9号に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第1項第2号に掲げる「金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為」に該当するものと認められる。

    このような法令違反行為が行われた背景として、当社代表が、低迷する売上げを回復させることを優先し、代表自らが法令違反行為を行うなど投資者保護を一顧だにしない営業を推進し、また全役職員の法令等遵守意識が著しく欠如していたことがあったものと認められる。

    (参考条文)
    ○ 金融商品取引法(昭和23年法律第25号)(抄)
    (禁止行為)
    第三十八条 金融商品取引業者等又はその役員若しくは使用人は、次に掲げる行為をしてはならない。ただし、第四号から第六号までに掲げる行為にあつては、投資者の保護に欠け、取引の公正を害し、又は金融商品取引業の信用を失墜させるおそれのないものとして内閣府令で定めるものを除く。
    一 金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為
    二 ~ 八(略)
    九 前各号に掲げるもののほか、投資者の保護に欠け、若しくは取引の公正を害し、又は金融商品取引業の信用を失墜させるものとして内閣府令で定める行為

    ○ 金融商品取引業等に関する内閣府令(平成19年内閣府令第52号)
    (禁止行為)
    第百十七条 法第三十八条第九号に規定する内閣府令で定める行為は、次に掲げる行為とする。
    一 (略)
    二 金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、虚偽の表示をし、又は重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為
    (以下、略)
    公正な市場を守るため、あなたの情報提供を待っています(証券取引等監視委員会)

    AAA投資顧問株式会社に対する検査結果に基づく勧告について

     

    AAA投資顧問は2019年に行政処分を受けたのち、2020年には会社名を買えて再起を図ったものの、行政処分を受けた影響か2020年にはサービスの提供を終了し、閉鎖に至っています。

     

     

    株エヴァンジェリスト

     

    マーチャントブレインズ投資顧問株式会社が運営する株エヴァンジェリストは、2022年に行政処分を受けています。

     

    株エヴァンジェリストの行政処分
    1. 顧客に対して虚偽のことを告げる行為
    2. 著しく事実に相違する表示のある広告をする行為

     

    以下は、証券取引等監視委員会(SESC)の公式サイトに掲載されていた行政処分の内容です。

     

    1.勧告の内容
    関東財務局長がマーチャントブレインズ投資顧問株式会社(東京都港区、法人番号9010001175146、代表取締役 加藤 雄太郎、資本金800万円、常勤役職員5名、投資助言・代理業)を検査した結果、下記のとおり、当該金融商品取引業者に係る問題が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分を行うよう勧告した。

    2.事実関係
    ○ 金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、虚偽のことを告げる行為等

    マーチャントブレインズ投資顧問株式会社(以下「当社」という。)は、無料で会員登録をした者(以下「見込顧客」という。)に対し、メールマガジンを配信し、投資顧問契約の締結の勧誘を行っている。
    また、当社は、見込顧客のみが閲覧できるウェブサイト(以下「助言サイト」という。)上の広告において、投資顧問契約の締結を行った顧客に対する助言実績を掲載するとしている。
    今回検査において、令和3年1月から同4年4月までの間のメールマガジンによる勧誘状況及び助言サイトに掲載された広告に係る助言実績を確認したところ、以下の法令違反行為が認められた。

    ⑴ 顧客に対し虚偽のことを告げる行為
    当社の加藤雄太郎代表取締役(以下「加藤代表」という。)は、見込顧客に対し配信したメールマガジン(23件)において、以下の記載を行い、虚偽の内容を告げて投資顧問契約の締結の勧誘を行った(別紙参照)。
    ア.特別な情報を入手していないにもかかわらず、特別な情報を入手しているとする記載(12回にわたり延51,159名に配信)
    イ.人数を限定する意図がないにもかかわらず、投資顧問契約の契約人数を限定しているとする記載(7回にわたり延36,192名に配信)
    ウ.助言実績のない銘柄であるにもかかわらず、助言を行ったとする記載(1回、6,045名に配信)
    エ.選定銘柄の分析に関し、その精査項目数が事実に反して過大となる記載又は利益確定の目安となる価格(以下「目標株価」という。)の算出を行っていないにもかかわらず、行ったとする記載(3回にわたり延10,776名に配信)

    ⑵ 著しく事実に相違する表示のある広告をする行為
    加藤代表は、投資顧問契約の締結を行った顧客に対する助言実績に関し、助言サイト上の広告に以下の表示(39件)を行った。
    ア.助言を行っていない銘柄であるにもかかわらず、事実に反し、株式買付の推奨日、売却による利益確定日及び騰落率を掲載している表示(4件)
    イ.助言を行った銘柄について、助言に従えば、目標株価又はロスカットの目安となる株価が売値となるところ、その後に目標株価を上回った株価等を売値として騰落率を計算し、掲載している表示(35件)

    上記⑴及び⑵の法令違反行為が行われた発生原因としては、加藤代表が営業を優先し、代表自らが法令違反行為を行うなど投資者保護を一顧だにしない状況であり、経営陣の法令等遵守意識が欠如していたこと、また、加藤代表が広告等の審査担当者に営業部の業務を行わせていたことから、メールマガジン及び助言サイトに掲載される助言実績に対する同担当者による広告等審査がほとんど実施されておらず、相互けん制が機能していなかったことに起因して発生したものと認められる。

    当社の上記⑴の行為は金融商品取引法第38条第1号に掲げる「金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為」に該当するほか、上記⑵の行為は、投資助言・代理業に関する広告において、助言実績に関する事項について、著しく事実に相違する表示を行うものであり、同法第37条第2項に違反するものと認められる。

    (別紙)

    ○ 当社が行った虚偽の告知の例

    ⑴ 特別な情報を入手していないにもかかわらず、特別な情報を入手しているとする記載
    ・ 今年は『政府要人と●●●のある関連筋』から、2021年注目されるであろうテーマに付いて、既に情報を入手しています。
    ・ 「特別な友人」に数えられた人間だけが知ることが出来る特別な情報とも言えます。

    ⑵ 人数を限定する意図がないにもかかわらず、投資顧問契約の契約人数を限定しているとする記載
    ・ 極一部の会員様限定のご案内(中略)※完全早い者勝ちとなります

    ⑶ 助言実績のない銘柄であるにもかかわらず、助言を行ったとする記載
    ・ 既に直近で株価2倍超に達している<×××>
    ※ <×××>には個別銘柄名を記載。

    ⑷ 選定銘柄の分析に関し、その精査項目数が事実に反して過大となる記載又は利益確定の目安となる価格(以下「目標株価」という。)の算出を行っていないにもかかわらず、行ったとする記載
    ・ 実に数百項目にも上る確認事項の精査
    ・ ★目標株価はズバリ『2.15倍』!これは直近実績と過去のデータに基付き、精細に算出した数値

    (参考条文)

    ○ 金融商品取引法(昭和23年法律第25号)(抄)

    (広告等の規制)
    第三十七条(略)
    2 金融商品取引業者等は、その行う金融商品取引業に関して広告その他これに類似するものとして内閣府令で定める行為をするときは、金融商品取引行為を行うことによる利益の見込みその他内閣府令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならない。

    (禁止行為)
    第三十八条 金融商品取引業者等又はその役員若しくは使用人は、次に掲げる行為をしてはならない。ただし、第四号から第六号までに掲げる行為にあつては、投資者の保護に欠け、取引の公正を害し、又は金融商品取引業の信用を失墜させるおそれのないものとして内閣府令で定めるものを除く。
    一 金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為
    二~九(略)

    マーチャントブレインズ投資顧問株式会社に対する検査結果に基づく勧告について

     

    吉村

    株エヴァンジェリストの行政処分では、具体的な事例まで掲載されていたぞ。

     

     

    雅投資顧問(AIP投資顧問)

     

    雅投資顧問は行政処分を受けた後、AIP投資顧問へとリニューアルを行いましたが、現在では閉鎖しています。

     

    雅投資顧問(AIP投資顧問)の行政処分
    1. 助言実績に関して著しく事実に相違する表示
    2. 助言実績に関して著しく人を誤認させるような表示

     

    以下は、財務省 関東財務局に掲載されていた行政処分の内容です。

     

    1.株式会社MLC investment(東京都中央区、法人番号7010401119266)(以下「当社」という。)に対する検査の結果、以下の問題が認められたことから、証券取引等監視委員会より行政処分を求める勧告が行われた。(令和2年3月3日付)

    〇著しく事実に相違する表示又は著しく人を誤認させるような表示のある広告をする行為等
    当社は、広告に関する業務の委託先及び当該委託先からの再委託先(以下、まとめて「本件広告業務委託先」という。)をして、当社の助言実績等に関する記事(以下「当社広告記事」という。)を作成させ、当該記事を多数の投資助言業者等を評価・比較する記事(以下「検証記事」という。)や各投資助言業者等に関して寄せられた記事(以下「投稿記事」という。)を掲載している複数のウェブサイト(以下、まとめて「本件ウェブサイト」という。)に掲載させる手法(以下「本件広告手法」という。)により、当社の広告を行っている。
    今回、当社及び広告に関する業務の委託先に対して検査を実施し、令和元年5月から同年6月までの間における本件ウェブサイトにおける当社広告記事の内容等を検証したところ、以下の事実が認められた。

    (1)助言実績に関して著しく事実に相違する表示
    当社は、本件広告手法により、本件ウェブサイトにおいて、検証記事として、少なくとも延べ43 銘柄に関し、また、投稿記事として、少なくとも延べ170銘柄に関し、実際には投資助言の実績がないにもかかわらず、助言を行った実績がある旨の当社広告記事を掲載し、さらに、検証記事として、実際にはこれまで機関投資家に対する投資助言の実績が一切ないにもかかわらず、助言を行った実績がある旨の当社広告記事を掲載した。

    (2)助言実績に関して著しく人を誤認させるような表示
    当社は、本件広告手法により、本件ウェブサイトにおいて、実際には本件広告業務委託先が当社の助言実績を正確に反映することなく作成した当社広告記事を、集客効果を狙って、あたかも第三者によって投稿されたかのような外観を装った記事として掲載した。

    なお、当社は、本件広告業務委託先に対して、広告手段・内容等について何ら指定することなく、集客を最優先として広告に関する業務を委託し、また、当該業務委託に係る契約締結後においても、本件広告業務委託先が作成した広告により、大きな集客効果が得られていることを認識していながら、本件広告業務委託先における広告手段・内容等の確認を行っていなかった。

    当社の上記行為は、投資助言・代理業に関する広告において、助言実績に関する事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示であり、金融商品取引法第37条第2項に違反する。

    2.以上のことから、本日、当社に対し、下記(1)については金融商品取引法第52条第1項の規定に基づき、下記(2)については同法第51条の規定に基づき、以下の行政処分を行った。

    (1)業務停止命令
    新たな投資顧問契約(契約金額の増額を伴う変更契約を含む。)の締結に係る勧誘・契約締結を令和2年3月12日から同年4月11日まで停止すること。

    (2)業務改善命令
    1)不適切な広告の掲載を直ちに停止すること。
    2)本件の発生原因を分析し、適切な業務運営態勢及び内部管理態勢の構築を含む再発防止策を策定・実施すること。
    3)全ての顧客に対し、今回の行政処分の内容を説明し、適切な対応を行うこと。
    4)本件法令違反行為の責任の所在を明確にすること。
    5)上記1)から4)までについて、具体的な改善策を令和2年4月13日(月)までに書面により報告すること。

    株式会社MLC investmentに対する行政処分について

     

     

    TMJ投資顧問

     

    TMJ投資顧問は2020年に行政処分を受けたのち、2024年現在はサービスの提供を終了し、閉鎖に至っています。

     

    TMJ投資顧問の行政処分
    1. 助言実績に関して著しく事実に相違する表示
    2. 助言実績に関して著しく誤認させるような表示

     

    以下は、財務省 関東財務局に掲載されていた行政処分の内容です。

     

    1.株式会社フラム(東京都中央区、法人番号2010001170046) (以下「当社」という。)に対する検査の結果、以下の問題が認められたことから、証券取引等監視委員会より行政処分を求める勧告が行われた。(令和2年3月3日付)

    ○ 著しく事実に相違する表示又は著しく人を誤認させるような表示のある広告をする行為等
    当社は、広告に関する業務の委託先、当該委託先からの再委託先及び再々委託先(以下、まとめて「本件広告業務委託先」という。)をして、当社の助言実績等に関する記事(以下「当社広告記事」という。)を作成させ、当該記事を多数の投資助言業者等を評価・比較する記事(以下「検証記事」という。)や各投資助言業者等に関して寄せられた記事(以下「投稿記事」という。)を掲載している複数のウェブサイト(以下、まとめて「本件ウェブサイト」という。)に掲載させる手法(以下「本件広告手法」という。)により、当社の広告を行っている。
    今回、当社及び広告に関する業務の委託先に対して検査を実施し、平成31年1月から令和元年8月までの間における本件ウェブサイトにおける当社広告記事の内容等を検証したところ、以下の事実が認められた。

    (1)助言実績に関して著しく事実に相違する表示
    当社は、本件広告手法により、本件ウェブサイトにおいて、検証記事として、少なくとも延べ52 銘柄に関し、また、投稿記事として、少なくとも延べ13銘柄に関し、実際には投資助言の実績がないにもかかわらず、助言を行った実績がある旨の当社広告記事を掲載した。

    (2)助言実績に関して著しく人を誤認させるような表示
    当社は、本件広告手法により、本件ウェブサイトにおいて、実際には本件広告業務委託先が当社の助言実績を正確に反映することなく作成した当社広告記事を、集客効果を狙って、あたかも第三者によって投稿されたかのような外観を装った記事として掲載した。

    なお、当社は、本件広告業務委託先に対して、広告手段・内容等について何ら指定することなく、集客を最優先として広告に関する業務を委託し、また、当該業務委託に係る契約締結後においても、本件広告業務委託先が作成した広告により、大きな集客効果が得られていることを認識していながら、本件広告業務委託先における広告手段・内容等の確認を行っていなかった。

    当社の上記行為は、投資助言・代理業に関する広告において、助言実績に関する事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示であり、金融商品取引法第37条第2項に違反する。

    2.以上のことから、本日、当社に対し、下記(1)については金融商品取引法第52条第1項の規定に基づき、下記(2)については同法第51条の規定に基づき、以下の行政処分を行った。
    (1)業務停止命令
    新たな投資顧問契約(契約金額の増額を伴う変更契約を含む。)の締結に係る勧誘・契約締結を令和2年3月12日から同年4月11日まで停止すること。

    (2)業務改善命令
    1)不適切な広告の掲載を直ちに停止すること。
    2)本件の発生原因を分析し、適切な業務運営態勢及び内部管理態勢の構築を含む再発防止策を策定・実施すること。
    3)全ての顧客に対し、今回の行政処分の内容を説明し、適切な対応を行うこと。
    4)本件法令違反行為の責任の所在を明確にすること。
    5)上記1)から4)までについて、具体的な改善策を令和2年4月13日(月)までに書面により報告すること。

    株式会社フラムに対する行政処分について

     

    桐生

    行政処分を受けた後、閉鎖に至る投資顧問もかなり多そうだ。

    ヒロシ

    顧客の信頼を取り戻せなかったのかもしれないな。

     

     

    ベストプランナー投資顧問

     

    株式会社スマートアセットマネジメントが運営するベストプランナー投資顧問は、2019年9月に金融庁から招請処分を受け、翌2020年に閉鎖しています。

     

    ベストプランナー投資顧問の行政処分
    1. 金融商品取引契約の締結の勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為
    2. 著しく事実に相違する表示又は著しく人を誤認させるような表示のある広告をする行為
    3. 投資助言・代理業を適確に遂行するに足りる人的構成を有していない状況及び投資助言・代理業を適確に遂行するための必要な体制が整備されていない状況

     

    以下は、財務省 関東財務局に掲載されていた行政処分の内容です。

     

    1.株式会社スマートアセットマネジメント(東京都中央区、法人番号1011001027121) (以下「当社」という。)に対する検査の結果、以下の問題が認められたことから、証券取引等監視委員会より行政処分を求める勧告が行われた。(令和元年9月10日付)

    (1)金融商品取引契約の締結の勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為
    当社は、見込顧客に対して、メールを配信する方法により、投資顧問契約の締結の勧誘を行っている。
    今回検査において、当社における平成28年5月から令和元年5月までの間の投資顧問契約の締結の勧誘状況を検証したところ、以下の法令違反行為が認められた。

    ア.銘柄分析・選定者に関する虚偽告知
    当社は、少なくとも延べ33万3000人以上の見込顧客に対して送信したメールにおいて、実際には当社の高見英治代表取締役(以下「高見代表」という。)が銘柄分析・選定に何ら関与していないにもかかわらず、事実に反して、「私、高見が完全監修を務める」等の文言を記載し、虚偽の内容を告げて投資顧問契約の締結の勧誘を行った。

    イ.助言実績に関する虚偽告知
    当社は、少なくとも延べ1500人以上の見込顧客に対して送信したメールにおいて、買い推奨を行った複数の銘柄について、実際には売り推奨を行っていないにもかかわらず、事実に反して、買い推奨日からメール配信時までの間に最高値となった日を「売却推奨日」と記載するなどして、虚偽の内容を告げて投資顧問契約の締結の勧誘を行った。

    当社の上記行為は、金融商品取引法第38条第1号に掲げる「金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為」に該当するものと認められる。

    (2)著しく事実に相違する表示又は著しく人を誤認させるような表示のある広告をする行為
    当社は、投資助言業者等を評価・比較している複数のウェブサイトにおいて、当社の広告を行っているが、平成31年4月から令和元年5月までの間の当該ウェブサイトにおける広告(以下「ウェブ広告」という。)の内容を検証したところ、以下の法令違反行為が認められた。

    ア.銘柄分析・選定者に関して著しく事実に相違する表示
    当社は、実際には高見代表が銘柄の分析・選定に何ら関与していないにもかかわらず、ウェブ広告中に、「高見英治を筆頭に銘柄選定及び投資助言が行われている」等の記事を掲載した。

    イ.助言実績に関して著しく事実に相違する表示
    当社は、多数の銘柄について、実際には投資助言の実績がないにもかかわらず、ウェブ広告中に、助言を行った銘柄である旨の記事を掲載した。

    ウ.助言実績に関して著しく人を誤認させる表示
    当社は、当該ウェブサイトにおいて、実際には当社が記載した内容であるにもかかわらず、あたかも第三者によって投稿されたかのような外観を装った、当社の助言実績等に関する記事を多数掲載させた。

    当社の上記行為は、投資助言・代理業に関する広告において、助言の方法及び助言実績に関する事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示であり、金融商品取引法第37条第2項に違反する。

    (3)投資助言・代理業を適確に遂行するに足りる人的構成を有していない状況及び投資助言・代理業を適確に遂行するための必要な体制が整備されていない状況
    当社の営業責任者は、自ら主導して上記(1)の法令違反行為を行っているほか、上記(2)についても法令違反行為であることを認識しながら、何ら対策を講じることなく漫然と放置している。
    また、当社コンプライアンス部長は、金融商品取引法令に関する知識が乏しく、また、法令等遵守意識も希薄であることから、上記(1)の法令違反行為が行われていることを認識しながら、当該違反行為に関し、何ら対策を講じることなく、漫然と放置している。
    さらに、当社の唯一の役員である高見代表は、当社の営業責任者及びコンプライアンス部長が、高見代表による当社業務への関与を阻害すべき状況を作出する中、当局による臨店検査が始まるまで、当社の業務内容を把握・管理するための措置を講じていないなど、内部管理態勢の構築を行っていないばかりか、顧客獲得や収益の拡大、当社の知名度を上げることを優先させるあまり、上記法令違反行為の一部については、当該行為が行われていることを認識しながら、何ら対策を講じることなく、これを漫然と放置している。
    このように、当社要職は、いずれも法令等遵守意識及び投資者保護意識が著しく欠如している。

    当社における上記の状況は、金融商品取引法第29条の4第1項第1号ホに掲げる「金融商品取引業を適確に遂行するに足りる人的構成を有しない者」に該当し、また、同号ヘに掲げる「金融商品取引業を適確に遂行するための必要な体制が整備されていると認められない者」に該当するものと認められ、このような当社の状況は、同法第52条第1項第1号に該当するものと認められる。

    2.以上のことから、本日、当社に対し、下記(1)については金融商品取引法第52条第1項の規定に基づき、下記(2)については同法第51条の規定に基づき、以下の行政処分を行った。

    (1)登録取消し
    関東財務局長(金商)第2767号の登録を取り消す。

    (2)業務改善命令
    1) 全ての顧客に対し、今回の行政処分の内容を説明し、適切な対応を行うこと。
    2) 現在、当社と投資顧問契約を締結している者との契約を適切に終了させること。
    3) 上記1)及び2)の実施状況について、令和元年10月21日(月)までに書面により随時報告すること。

    株式会社スマートアセットマネジメントに対する行政処分について

     

    小暮

    ベストプランナー投資顧問は、行政処分の中で最も厳しい「登録取り消し」の処分を受けているぞ!

     

    ヒロシ

    代表の高見英治氏が投資助言や銘柄分析を行っているとしていたが、一切関与していなかったことが判明しているからな。悪質性が高いと判断されたんだろう。

     

     

    株マイスター

     

    株式会社SQIジャパンが運営する株マイスターは、2016年に行政処分を受けています。

     

    株マイスターの行政処分
    1. 金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為
    2. 著しく事実に相違する表示又は著しく人を誤認させるような表示のある広告をする行為

     

    以下は、証券取引等監視委員会(SESC)の公式サイトに掲載されていた行政処分の内容です。

     

    1.勧告の内容

    関東財務局長が株式会社SQIジャパン(東京都新宿区、法人番号1010401086900、資本金1000万円、常勤役職員11名、投資助言・代理業)を検査した結果、下記のとおり、当該金融商品取引業者に係る問題が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分を行うよう勧告した。

    2.事実関係

    (1)金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為

    株式会社SQIジャパン(以下「当社」という。)は、投資助言業として、当社の投資助言サイト「株マイスター」に無料会員登録した者等(以下「見込顧客」という。)に対し、頻繁(毎日複数回)に、多い時には1回延べ4万人以上に対して電子メールを配信する方法によって、投資顧問契約の締結の勧誘等を行っている。

    当社は、見込顧客に対して配信した電子メールや当該メールで誘導した当社運営サイトにおいて、インサイダーに関する情報、仕手筋に関する情報、相場操縦に関する情報やその他の特別な情報を有力な第三者等から入手した旨をうたって、またはこれを示唆するなどにより、投資顧問契約の締結の勧誘を行っていたが、実際には、当該情報を第三者等から事前に入手した事実は認められず、勧誘時点では推奨すべき銘柄も決定していなかった。

    このように、当社は、投資顧問契約の締結の勧誘に関して、顧客に対し、当社が、上記のようなインサイダーに関する情報、仕手筋に関する情報、相場操縦に関する情報やその他の特別な情報を有力な第三者等から入手した旨の虚偽の内容を告げて勧誘を行っていたものである(別紙参照)。

    この他にも、当社は、投資顧問契約の契約者の人数を限定する意思がないにもかかわらず、「○名様限定」と記載する、実際には抽選を行っていないにもかかわらず、抽選の結果、契約申込みの「権利獲得者」となった旨を記載するなどの虚偽の内容を告げていた。

    当社の上記勧誘行為は、金融商品取引法第38条第1号に掲げる「金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為」に該当する。

    (2)著しく事実に相違する表示又は著しく人を誤認させるような表示のある広告をする行為

    アウェブサイトによる広告

    当社は、投資助言業者を口コミ等によるランキング形式で紹介している複数のウェブサイトに、当社の広告を掲載していた。

    これらのサイトにおいて、当社は、「人気の投資顧問トップ5」、「人気の投資顧問ベスト3」等と紹介されていた。

    しかし、当該掲載は、当社と広告会社との契約により、当社が必ず上位にランキングされる仕組みとなっており、口コミ等による評価ではないことが認められた。

    上記広告は、あたかも当社が第三者の客観的な評価、分析により優良な投資助言業者であると格付けされたかのように、著しく投資者を誤認させる表示であると認められる。

    イ当社投資助言サイトによる広告

    当社は、当社の投資助言サイト「株マイスター」において、当社の投資分析について、「株マイスター専属のプロアナリストが厳選」、「テクニカル、及びファンダメンタルを組み合わせた独自のメンタルテクニカル理論を駆使」、「証券関係者・機関投資家から行政・財界に渉る幅広い人脈を駆使し、精度の高い独自情報を得ることを可能としている」等としているが、これらは全く実態のない事実に相違する表示である。

    当社の上記ア及びイの行為は、助言の内容及び方法並びに助言の実績に関する事項について著しく事実に相違する表示又は著しく投資者を誤認させるような表示のある広告をする行為であることから、金融商品取引法第37条第2項に違反する。

    (別紙)

    当社が行った虚偽の告知の例
    1.インサイダー情報等をうたった虚偽の告知
    超有力出版社「●●●●」関連人物より「イ●サ●●ー級」の情報を入手!!

    内部情報を「エサ」に、勝利へと導く暴騰銘柄

    ごく一部の有力メディアが、極秘情報を握っているという実情を、「株価3倍銘柄のご獲得」という形でご確認頂けるでしょう。何せ「内部情報」ですから、その日が来るのはそう遠い未来ではございません

    2.仕手筋情報等をうたった虚偽の告知
    仕手に精通する我々と情報元が掴んだ事実です

    伝説の仕手集団!≪●●●●グループ(仮)≫の介入情報を入手!

    K氏 最終決戦 最後の般若銘柄 今回入手した【最後の『般若銘柄』は今までのK氏銘柄とは“別格”の情報ですので、(略)最優先のご紹介とさせて頂きます

    3.相場操縦をうたった虚偽の告知
    A銘柄 株価操縦 疑惑に絡む 極秘情報

    我々が掴んだのは、A銘柄と同様の「合法的」な株価操縦が想定される銘柄情報です

    4.その他
    極・思惑株「巨額の資金流入」の情報を入手

    この度、株マイスターでは「巨額の資金流入」についての話を入手しました。ある思惑によって流れる資金の規模を考慮すると暴騰は約束されたようなもの。

    通常では知り得る事が出来ない機密性が高い情報

    我々はすでに『■■■■■』に関して、ある「重要情報」を入手しています。

    利益をもたらした情報筋が●●氏

    急騰前に弊社へB社情報を提供した情報源などから、「最新の情報」を入手しております

    とてつもない激裏情報であることが判明

    「格別な上昇期待値を誇る有力情報」を緊急に入手致しました

    (注)上記の「A銘柄」、「B社」については、当社が見込顧客に配信した電子メール又は当該メールで誘引した当社運営サイトでは、具体的な銘柄名、社名が記載されている。

    (参考条文)

    ○金融商品取引法(昭和23年法律第25号)(抄)

    (禁止行為)

    第三十八条金融商品取引業者等又はその役員若しくは使用人は、次に掲げる行為をしてはならない。ただし、第四号から第六号までに掲げる行為にあつては、投資者の保護に欠け、取引の公正を害し、又は金融商品取引業の信用を失墜させるおそれのないものとして内閣府令で定めるものを除く。

    一金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為

    (以下、略)

    (広告等の規制)

    第三十七条(略)

    2金融商品取引業者等は、その行う金融商品取引業に関して広告その他これに類似するものとして内閣府令で定める行為をするときは、金融商品取引行為を行うことによる利益の見込みその他内閣府令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならない。

    ○金融商品取引業等に関する内閣府令(平成19年8月6日内閣府令第52号)(抄)

    (誇大広告をしてはならない事項)

    第七十八条法第三十七条第二項 に規定する内閣府令で定める事項は、次に掲げる事項とする。

    一~五(略)

    六金融商品取引業者等の金融商品取引業(登録金融機関にあっては、登録金融機関業務)の実績に関する事項

    七・八(略)

    九投資顧問契約について広告等をする場合にあっては、助言の内容及び方法に関する事項

    (以下、略)

    株式会社SQIジャパンに対する検査結果に基づく勧告について

     

    ユカリ

    株マイスターが行政処分を受けたのは約8年前だから、業務改善されて健全な運営が行われているといいわね。

     

     

    行政処分の影響と対応策

    行政処分の影響と対応策

     

    前項では、実際に行政処分を受けた投資顧問をご紹介しました。

    ではここで、行政処分が顧客や市場に与える影響を分析し、行政処分後の投資顧問会社がどのような対応をしているのか、解説します。

     

     

    投資顧問の行政処分が顧客に与える影響とは

     

    利用していた投資顧問が行政処分を受けた場合に考えられる影響がこちら。

     

    • 信頼の喪失:行政処分が公表されると、その投資顧問会社に対する信頼が大きく揺らぎます。顧客は自身の資産を預けている企業が不正行為や不適切な業務を行っていたことに対し、不安を抱くことになります。
    • 資産運用の見直し:行政処分を受けた投資顧問会社のサービスを利用していた顧客は、他の投資顧問会社への乗り換えを検討する必要が出てきます。この過程で、手数料や運用方針の見直しが必要となり、時間と手間がかかることがあります。
    • 損失の可能性:行政処分の内容によっては、顧客が直接的な損失を被ることもあります。例えば、業務停止命令が下されると、顧客の資産運用が一時的に停止し、その間の市場の変動に対応できないリスクがあります。
    • 法的対応の必要性:場合によっては、顧客が行政処分を受けた投資顧問会社に対して法的措置を取る必要が出てくることもあります。これにより、顧客はさらなる時間とコストを負担することになります。

     

    桐生

    投資顧問が行政処分を受けることによって、信頼の喪失や金銭的な損失、法的措置の必要性が出てくる場合もあるってわけか。

     

    小暮

    顧客にとって良いことが何一つねえな!!!

     

     

    行政処分後の投資顧問会社の対応

     

    では、行政処分を受けた投資顧問はどのような対応を取る必要があるのか、解説します。

     

    • コンプライアンスの強化 行政処分を受けた投資顧問会社は、再発防止のためにコンプライアンス体制を強化する必要があります。具体的には、内部監査の徹底や社員教育の強化、外部監査の導入などが考えられます。
    • 顧客への説明と謝罪 行政処分を受けた理由や今後の対応策について、顧客に対して誠実に説明し、謝罪を行うことが重要です。透明性のあるコミュニケーションを取ることで、顧客の信頼回復を図ります。
    • 業務改善計画の提出 行政処分を受けた会社は、金融庁や関係当局に対して業務改善計画を提出する必要があります。この計画には、不適切な業務の是正措置や再発防止策が含まれます。
    • イメージの回復 行政処分を受けた後は、企業イメージの回復も重要な課題です。これには、広報活動の強化や企業の社会的責任(CSR)活動の充実が含まれます。信頼を取り戻すための積極的な活動が求められます。
    • 顧客サポートの強化 行政処分を受けたことで不安を感じている顧客に対して、専用のサポート窓口を設置し、迅速かつ適切な対応を行います。顧客の声に耳を傾け、個別の相談に応じることで、信頼回復を図ります。

     

    ユカリ

    顧客目線で言うと、とにかくサポートの強化や損失を最大限に補填する施策などが欲しいところね。

     

     

    投資顧問会社を選ぶ際のチェックポイント

    投資顧問会社を選ぶ際のチェックポイント

     

    ここまで、投資顧問が行政処分を受ける理由や受けた場合の対応などを解説しました。

    では、利用者が投資顧問を選ぶ際、どのようなことに気を付ければいいのか、注意すべきポイントをご紹介します。

     

    投資顧問を選ぶ際のポイント
    1. 金融庁に登録されているか
    2. 信頼できる運用実績を持っているか
    3. コンプライアンス体制やリスク管理の徹底度
    4. 過去の行政処分歴

     

    金融庁に登録されている投資顧問か

     

    まずはじめに、投資顧問を選ぶ際に一番大切なポイントがあります。

    それは、金融庁に登録されているかどうか確認する、ということです。

    登録されていない会社は信頼性に欠ける可能性があるだけでなく、悪質・詐欺行為を働いている恐れもあるため、絶対に利用しないでください。

     

     

     

    信頼できる運用実績を持っているか

     

    二つ目に、過去の実績や顧客の評判を調査し、信頼できる運用実績を持っているかを見極めることが重要です。

    また、提供されているサービス内容や手数料なども他社と比較検討すると良いでしょう。

    透明性のある料金体系か?顧客のニーズに応じた柔軟なサービスを提供しているか?など、様々な視点から確認してみることもおすすめです。

     

    桐生

    明確な料金が掲載されていなかったり、返金特約が明記されていなかったりなど怪しい点があった場合には、利用を避けた方が賢明だろう。

     

     

    コンプライアンス体制やリスク管理の徹底度

     

    コンプライアンス体制やリスク管理の徹底度はどのように確認すればいいのか疑問に感じるかもしれません。

    これらは、第三者機関からの認証を取得しているか、定期的な内部監査が行われているか、監査チームの独立性が保たれているか、といった点から評価することができます。

    コンプライアンス体制やリスク管理が徹底されている投資顧問会社であれば、公式サイト内などに事例が掲載されている場合があるので、確認してみるとよいでしょう。

     

    ヒロシ

    第三者機関による認証や、定期的な内部監査の有無は特に重要かもしれないな。

     

     

    過去の行政処分歴

     

    投資顧問を選ぶ際に、過去の行政処分歴を確認することは非常に重要です。

    なぜなら行政処分を受けた経験のある会社は、法令遵守や倫理的な業務運営に問題があった可能性があるからです。

     

    小暮

    前科があれば疑いたくなっちゃうもんなー!

     

    投資顧問の行政処分歴は、金融庁や証券取引等監視委員会の公式サイトなどから確認することができます。

    過去に行政処分を受けた投資顧問には業務改善命令が勧告されるため、大抵の投資顧問は健全な運営を行う努力をしているでしょう。

    しかし、重大な違反行為や繰り返し処分を受けている投資顧問の利用は避けた方が賢明です。

     

    ユカリ

    本当にダメな投資顧問会社は、行政処分を受けた後、閉鎖に追い込まれているケースも多いわね。

     

    桐生

    行政処分歴の有無に加えて、なぜ処分を受けたのか、内容をしっかり確認することも大切だぞ。

     

     

    投資顧問の行政処分まとめ

    投資顧問の行政処分まとめ

     

    投資顧問における行政処分は、投資家にとって重要なリスク要因です。

    過去に行政処分を受けた投資顧問会社の事例から学ぶことで、リスク回避のための知識を深めることができたのではないでしょうか。

     

    投資顧問会社を選ぶ際には、コンプライアンス体制やリスク管理の徹底度、行政処分歴の有無を慎重に確認し、信頼できるパートナーを見極めることが求められます。

     

    投資を検討している皆様が、安心して信頼できる投資顧問を選ぶ際、安全で効果的な資産運用を実現する一助となれば幸いです。

     

     

     

     

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