香港で発生した仮想通貨詐欺JPEX事件とは?概要やポイントを徹底解説
 

目次

 

仮想通貨という言葉が世間に浸透し、仮想通貨への投資が以前に比べて身近になりつつありますが、その一方で仮想通貨への投資を勧誘し、お金を騙し取る仮想通貨詐欺の被害が急増しています。

 

仮想通貨による詐欺は日本だけでなく、世界的に深刻な詐欺被害が発生しているため、非常に注意が必要です。

 

そこで今回は、中国の香港で発生した大規模な仮想通貨詐欺、JPEX事件の詳細やJPEX事件のポイントについて、解説していきます。

 

JPEX事件とは

JPEX事件とは

 

国際的な仮想通貨の取引ハブを目指している香港で、香港史上最大級の金融詐欺が発生しました。

 

2023年9月19日、香港の金融庁の認可を受けずに仮想通貨取引所の営業をしていたJPEXによる詐欺事件に関わったとして、詐欺共謀の容疑で8人が香港警察に逮捕されました。

逮捕されたのは、JPEXの従業員をはじめ、イギリスのオックスフォード大学卒の元弁護士かつInstagramで19万人のフォロワーをもつ林作(ジョセフ・ラム)、チャンネル登録者22.2万人を誇る女性ユーチューバーの陳怡(チャン・イー)などの人気インフルエンサーを含む計8人です。

 

JPEX仮想通貨取引所の公式サイトによると、運営本部はドバイにあり、オーストラリアのライセンスを取得しているとしていました。

しかし実際には、ドバイの仮想通貨規制庁(VARA)での登録・認可を受けておらず、さらにオーストラリアでのライセンスも取得していませんでした。

また、香港で仮想通貨取引所を運営するために必要なライセンスも取得せずに営業していたということです。

 

香港警察によりますと、「保有する銘柄が引き出せなくなった」などの苦情を1,641件受理しており、被害総額は約270億円(約14億3000万円香港ドル)に上るということです。

またJPEXは、顧客に対して口座開設後にパスワードを提出させ、無断で資金を移動させていたといいます。

 

JPEXによる詐欺被害が大きくなった要因として、香港ではメイドインジャパンへの評価や信頼性が高いことからJPEXは日本の仮想通貨取引所だと広告宣伝されていたことや、人気インフルエンサーによる宣伝があったことが考えられています。

また、顧客に対して最初に大きな利益を与えて安心させ、追加で投資をさせるという古典的なポンジ・スキームの手口が使われていたということです。

 

香港の李行政長官は記者会見で、「今回の事件は、仮想通貨へ投資をする際、金融庁の認可やライセンスを取得した仮想通貨取引プラットフォームで投資することの重要性が浮き彫りになった」とコメントをしています。

 

 

JPEX事件のポイントを解説

JPEX事件のポイントを解説

 

今回のJPEX事件は、認可やライセンスを取得していない無登録の仮想通貨取引所による詐欺事件でした。

 

そこで、JPEX事件を以下のポイントに分けて詳しく解説していきます。

 

  • 人気インフルエンサーによる勧誘
  • ポンジ・スキームの手口
  • 出金できないトラブル
  • 無登録の仮想通貨取引所

 

 

人気インフルエンサーによる勧誘

 

JPEX事件で逮捕された容疑者のうち2人は、イギリスのオックスフォード大学卒の元弁護士かつInstagramで19万人のフォロワーをもつ林作(ジョセフ・ラム)、チャンネル登録者22.2万人を誇る女性ユーチューバーの陳怡(チャン・イー)という中国で絶大な人気を誇るインフルエンサーでした。

 

近年では、インフルエンサーによる投資詐欺が中国に限らず世界中で横行しています。

その理由は、多くのフォロワーを抱えているインフルエンサーは、知名度や人気があることから「この人が宣伝している=安全だろう」と警戒されることなく詐欺へ誘導することができるからです。

 

知名度のあるインフルエンサー以外にも、SNSで知り合った人物や投資セミナーなどで知り合った人物から投資へ勧誘された場合は詐欺だと考えられるため、くれぐれもご注意ください。

 

 

ポンジ・スキームの手口

 

ポンジ・スキームとは、高利回りを謳う投資に出資を募り、集めた資金を運用しているように見せかけますが、実際には集めたお金の一部を出資者に配当金として渡しているだけ、という古典的な詐欺の手口です。

ポンジ・スキームでは、出資者が増え続けているうちは配当金(実際は出資金の一部の横流し)が得られるため、詐欺の被害に気が付きにくいという特徴があります。

また、ポンジ・スキームは破綻することを前提に出資を募り、ある程度お金を集めたところで音信不通になることが特徴です。

ポンジ・スキームの手口は、仮想通貨だけでなく、様々な投資分野で見られる詐欺の手口なので、くれぐれもご注意ください。

 

 

出金できないトラブル

 

仮想通貨詐欺では、「出金できない」ことから詐欺被害に気付くケースが多く見られています。

 

サイト上では利益が出ていると表示されているにもかかわらず、いざ出金しようとすると、「マネーロンダリングの疑いで出金できない」「決済資金がないと追加入金を求められた」「決済不履行で高額な違約金を請求された」など、保証金や税金、違約金などの様々な名目で追加入金を求められます。

 

また、追加入金をしても出金できるようにはならないため、被害額をこれ以上増やさないためにも、追加入金を要求された時点で詐欺だと考え、追加で入金しないようご注意ください。

 

 

無登録の仮想通貨取引所

 

今回ご紹介した香港のJPEX事件だけでなく、日本国内でも日本の金融庁の認可を受けずに仮想通貨取引所を運営している無登録事業者による詐欺が非常に増えています。

 

ネット上では、外国の金融ライセンスを取得していれば、日本で無登録事業者であっても問題ないという誤った情報が散見されています。

ですが、外国の金融ライセンスを取得していても、日本居住者のため、または日本居住者を相手方として金融商品取引を行う場合、原則として金融庁への登録が必要です。

 

そのため仮想通貨取引所で投資をする際は、利用しようとしている仮想通貨取引所が、金融庁の認可を受けているかどうかを必ず確認してください。

 

 

仮想通貨詐欺には要注意!

仮想通貨詐欺には要注意!

 

この記事では、香港で発生したJPEX仮想通貨取引所による詐欺事件を解説しました。

 

今回ご紹介した事例は香港でしたが、日本も対岸の火事ではなく、JPEXと同様の詐欺被害がすでに発生しています。

特に、InstagramやFacebook上に掲載されている投資関連の広告から、架空の仮想通貨取引所での投資を勧誘され、出金できないトラブルに巻き込まれる被害が多発しています。

 

そのため、SNSやネット上の広告などから投資へ勧誘された際、投資を行うプラットフォームが金融庁に認可されているかどうかを必ず確認し、認可を受けていない事業者だった場合は詐欺だと考えられるため、利用しないようご注意ください。

 

当サイトしての願いは、仮想通貨詐欺の被害に遭う方が一人でも多く減ることです。

この記事が、被害撲滅の一助になれば幸いです。

 

 

仮想通貨詐欺の手口については、こちらの記事で詳しくご紹介していますので、合わせてご参照ください。

仮想通貨詐欺の手口

 

 

 

 

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