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振り込め詐欺やオレオレ詐欺をはじめ、高齢者を狙った特殊詐欺の被害は後を絶ちません。
中でも、税金還付を持ち掛けておきながら金銭を騙し取る還付金詐欺の手口は巧妙化しており、被害は年々増加しています。
2023年6月に報じられたニュースですが、還付詐欺グループの幹部の男ら2人が逮捕された事件をご紹介します。
還付金詐欺の逮捕事例
高齢男性に「医療費の還付が受けられる」と虚偽の電話をかけ、現金を騙し取ったとして、特殊詐欺グループの幹部の男ら2人が逮捕されました。
逮捕された男ら2人は、2023年4月、仲間と共謀して区役所の職員を名乗り、都内の男性(70代)に「医療費の還付が受け取れる」などと言い、口座に現金およそ100万円を振り込ませ、騙し取った疑いが持たれています。
警視庁によると、容疑者の男ら2人は被害者の男性に対し、ATMから口座に現金を振り込む際の操作について「ATMから出てくる白い利用明細表はエラーです。黄色い紙が出るはずです」と嘘を言い、繰り返し振り込ませていたということです。
逮捕された男ら2人は2023年3月以降、同様の事件で2回逮捕されており、被害総額はおよそ5000万円に上るとみて、余罪も含め慎重に捜査をしています。
還付金詐欺の逮捕事例を解説
今回ご紹介した還付金詐欺の逮捕事例は、医療費の還付が受け取れると謳い、現金およそ100万円を騙し取った、非常に悪質な詐欺の手口でした。
ではここで、この逮捕事例のポイントを解説します。
①区役所の職員を名乗り電話をしてくる
還付金詐欺の典型的な手口として、市区町村役所や税務署などの公的機関を名乗って、還付金が受け取れるといった内容の電話をかけてくるケースが多く見受けられます。
また、電話口で「以前に書面で通知書を送った」などと嘘をつくなど、手口は巧妙化しています。
公的機関の職員が、還付金を知らせる電話をしてくることはありませんので、こういった内容の電話がかかってきた場合は、詐欺である可能性が非常に高いと考えられます。
還付金が本当に受け取れるのか確認したい方は、公的機関の公式サイトや電話から、直接問い合わせることをおすすめします。
②ATMへ誘導する
還付金詐欺の最大の特徴は、還付金を受け取るためと嘘をつき、ATMへ誘導することです。
還付金詐欺では、自分への振込だと思わせたり、自分の口座へ振込手続きをしているかのように錯覚させ、お金を騙しとる悪質な手口が使われています。
還付金がATMで支払われることは絶対にありません。
また、公的機関や金融機関の職員が、ATMを操作するよう連絡することは絶対にありません。
そのため、ATMを操作するよう電話口で伝えられた場合は、100%詐欺なので、絶対に指示通り動かないようご注意ください。
③ATMから黄色い紙がでてくると嘘をつく
今回の事例で逮捕された男らは、「ATMから出てくる白い利用明細書はエラーです。黄色い紙が出てくるはずです」と虚偽の内容を伝え、繰り返しATMで振込操作をさせていました。
詐欺師は、言葉巧みに繰り返しお金を騙し取ろうとします。
ATMでは白い利用明細書しか出てきませんので、このような言葉に騙されないよう十分ご注意ください。
還付金詐欺には要注意!
還付金詐欺の手口は巧妙化しており、様々な手口でATMへ誘導し、お金を騙し取ります。
還付金詐欺の被害に遭ってしまったら、速やかに警察に相談してください。なぜなら、振り込め詐欺救済法により、被害金の返金が望める可能性があるからです。
家族や大切な人を詐欺被害から守るため、各ご家庭で今一度、詐欺の手口や考えられる被害について、話し合ってみてください。
詐欺被害を未然に防ぐためには、事前に詐欺の手口や対策を知っておくことや、怪しい出来事が遭った場合すぐに第三者へ相談できる環境を整えておくことが、とても重要です。
還付金詐欺の詳しい手口はこちらの還付金詐欺になぜ騙される?巧妙な手口や還付金詐欺の見分け方を解説記事で詳しくご紹介していますので、ご参考になれば幸いです。
還付金詐欺以外にも、お金が受け取れると謳う支援詐欺というものがあります。
支援詐欺も非常に悪質な詐欺手口ですので、こちらの支援詐欺の返金方法を解説記事もあわせてご参照いただければ幸いです。