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「海産物の送り付け詐欺/カニカニ詐欺」という詐欺をご存じですか?
海産物の送り付け詐欺/カニカニ詐欺とは、電話による悪質なセールスにより、海産物を無理やり購入させられたり、送り付けられたりする詐欺のことです。
海産物の送り付け詐欺は一年を通して発生していますが、特に年末年始は急増する傾向があるため、非常に注意が必要です。
そこでこの記事では、海産物の送り付け詐欺/カニカニ詐欺の手口や対策について詳しく解説しますので、ぜひご参考にしてください。
海産物の送り付け詐欺(カニカニ詐欺)とは
海産物の送り付け詐欺(カニカニ詐欺)とは、北海道や北陸などの水産会社を騙る人物からの悪質なセールス電話により、無理やり商品を購入させられたり、着払いで商品を送り付けられたりする詐欺被害のことです。
海産物の送り付け詐欺では、「売上が落ちて苦しい。助けてほしい」「コロナの影響で海産物が売れない」など親切心や同情心に付け込む勧誘や、「買ってもらわないと困る」といった強引な勧誘による被害が数多く確認されています。
例年、海産物の送り付け詐欺によるトラブルは数多く発生していましたが、2021年度に一転、前年度の2倍以上に増加するなど、急増傾向になりました。
2022年度も大幅に減少することはなく、増加傾向が続いています。
(国民生活センターのデータを元に作成)
2023年8月、日本は電子力発電所の処理水の海洋放出を行ったことから、中国やロシアなどが日本の海産物の輸入を全面停止しました。
そのため、2023年度の年末年始にかけて「海産物が売れなくて困っている。支援してほしい」などと、輸入規制に関連した悪質なセールストークを行い、再び送り付け詐欺が急増する事が予想されます。
海産物の送り付け詐欺(カニカニ詐欺)の被害を防ぐためには、手口や事例を知っておくことがとても大切です。
そこで次項では、カニカニ詐欺の被害事例をもとに手口を解説していきます。
カニカニ詐欺の被害事例をもとに手口を解説
ではここで、海産物の送り付け詐欺/カニカニ詐欺の被害事例をもとに、手口を解説します。
カニカニ詐欺の被害事例1
携帯電話に着信があり、「北海道の支援のために海産物を買ってほしい」と言われた。「北海道の業者から仕入れているので内容も良い。損はさせない」と言われたので購入し、代引きで約2万円を支払った。届いたものを見てみると、とても代金には見合わないものだった。
(2023年8月 50代男性)
こちらの被害事例は、「北海道の支援のために海産物を買ってほしい」などと言われ、消費者の親切心や同情心を悪用した手口が見られました。
また、送られてきた品物は質の悪い商品だったということです。
カニカニ詐欺の被害事例2
携帯電話に知らない番号からの電話があり出てみると、男性が勢いよく話し始めた。「10年ほど前に当店でお買い上げいただいた方に電話をしている。このご時世で経営が苦しいので、良い商品の詰め合わせを買ってくれないか」と勧誘された。海産物を買った覚えがないので不審に思っていたら、「ここまで頑張って案内したのだから買ってもらわないと困る」と強い口調で言われ、思わず了承してしまった。
(2021年8月 60歳代 女性)
こちらの被害事例では、「10年ほど前に当店でお買い上げいただいた方に電話をしている」などと言われたということです。
この手口は、本当は購入したことがないにもかかわらず、「以前購入してもらったことがある」などと言って、消費者がすぐに断れないようにする悪質な勧誘手口です。
また、購入を断ろうとすると「買ってもらわないと困る」などと強い口調で消費者の恐怖心をあおり、無理やり購入させようとする悪質な手口が使われています。
被害事例3
ふるさと納税の返礼品を送ったことあがるといって電話してきた事業者から、コロナ禍で困っていると言われて海産物を購入したら値段に見合わない商品が届いた。
「カニもたくさん入っている」と言われたが、カニは入っておらず、以前納税した市に問い合わせたところ、そのような事業者との取引はないとのことだった。
こちらの被害事例では、「ふるさと納税の返礼品を送る業者」などと騙り、海産物の送り付け詐欺を行っていました。
また、「カニもたくさん入っている」ということでしたが、送られてきた商品にカニは入っておらず、非常に悪質な勧誘が行われていたことがわかりました。
海産物の送り付け詐欺の対策
海産物の送り付け詐欺/カニカニ詐欺の被害を防ぐためにはどうしたらよいのでしょうか。
そこで、海産物の送り付け詐欺の対策をご紹介します。
見知らぬ番号からの電話に出ない
詐欺被害は、見知らぬ番号からの電話がきっかけとなることが多くみられています。
海産物の送り付け詐欺も同様に、見知らぬ番号からの電話により悪質な勧誘を受け、強引に商品を購入させられたり、同情心や親切心に付け込んで商品を購入させられたりなどの被害が発生しています。
そのため、普段から見知らぬ番号からの電話に出ないようにしましょう。
万が一、電話に出てしまい悪質な勧誘を受けた場合は、きっぱりと断るようにしてください。
電話勧誘での契約はクーリング・オフをする
万が一、悪質なセールス電話を受けて購入をしてしまった場合はクーリング・オフすることが可能です。
電話勧誘は、特定商取引法に定める「電話勧誘販売」に該当するため、電話で海産物の購入を承諾してしまっても、特定商取引法に定める書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、書面またはメールなどによるクーリング・オフを行うことができます。
しかし、相手は詐欺行為を働く悪質な事業者であるため、クーリング・オフを申し出ても、素直に返金に応じてくれる可能性が低いと考えられます。
また、”書面に掲載されていた住所や電話番号は虚偽の内容だった”ということも十分に考えられますので、クーリング・オフを検討する場合は、消費生活センターや国民生活センターにご相談いただくことをおすすめします。
消費者ホットライン
☎ 188
国民生活センター 平日バックアップ相談
03-3446-1623
商品が届いても絶対に受け取らない
海産物の送り付け詐欺(カニカニ詐欺)では、商品の購入を断っても一方的に商品を送り付けてくる事例が報告されています。
一方的に商品を送り付けられた場合、商品代金の支払い義務はありませんので、宅配業者に対して身に覚えのない商品であることを伝え、受け取り拒否をしましょう。
代金引換で支払いをしてしまった場合、宅配業者からの返金を受けることは非常に困難だと考えられます。
なぜなら、各宅配業者では、「代金引換の返金はできません。販売業者からの返金を依頼してください」とアナウンスがなされているからです。
一度代金を支払ってしまった場合の返金は困難になってしまうため、代金引換で商品が送り付けられた場合は必ず受け取り拒否をしてください。
海産物の送り付け詐欺(カニカニ詐欺)には要注意!
いかがでしたでしょうか。
海産物の送り付け詐欺は例年、年末年始にかけて急増する傾向が見られています。
- 見知らぬ番号からの電話に出ない
- きっぱり断る
- 商品を送り付けられても絶対に支払わず、受け取り拒否を
「コロナの影響で売り上げが下がってしまった」「日本の海産物が売れなくなった影響で経営が困難に」など、こうした同情心や親切心を煽るような言葉で勧誘する手口は、詐欺師の常套手段です。
親切心や同情心で購入せず、きっぱり断るようにしてください。
また、断ったにもかかわらず商品を送り付けられてしまった場合は、支払いはせず受け取り拒否をしてください。
海産物の送り付け詐欺(カニカニ詐欺)は、良心につけこんだ非常に悪質な詐欺です。
この記事を通して、一人でも多くの方が詐欺被害を未然に防げることを願っています。