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インターネット詐欺の新しい手口「豚の屠殺詐欺/豚の食肉解体詐欺(Pig Butchering Scam)」をご存じですか?
Pig Butchering Scamは主に、仮想通貨詐欺やロマンス詐欺で見られている手口で、近年被害が急増しているため注意が必要です。
日本では”豚の屠殺詐欺”や”豚の食肉解体詐欺”と呼ばれており、非常に衝撃的なネーミングとなっていますが、果たしてどんな詐欺なのでしょうか。
そこでこの記事では
- 豚の屠殺詐欺(Pig Butchering Scam)とは
- 豚の食肉解体詐欺の手口とは
- 豚の屠殺詐欺に騙されないためには
これらについて、詐欺返金110番が詳しく解説します。
Pig Butchering Scam(豚の屠殺詐欺)とは
近年、アメリカの連邦捜査局FBIは、「豚の屠殺詐欺/豚の食肉解体詐欺(Pig Butchering Scam)」というインターネット詐欺の手口が急増しているとして、注意を呼び掛けています。
豚の屠殺詐欺とは、仮想通貨詐欺やロマンス詐欺で良くみられる手口で、長い時間をかけてターゲットと信頼関係を築いたあとに、投資話を持ち掛けて限界までお金を騙し取る手口のことをいいます。
「長い時間をかけてお金を騙し取る手口」が、「長い時間かけて豚を太らせてから食肉に加工する手口」に非常に似ていることから、豚の食肉解体詐欺(豚の屠殺詐欺)と呼ばれているということです。
豚の食肉解体詐欺は、まだ日本では馴染みのない言葉ですが、遅れて日本に上陸することは十分に考えられるため、手口を知っておくことはとても大切です。
そこで次項では、豚の屠殺詐欺がどのような手口で行われているのか、詳しく解説します。
豚の食肉解体詐欺の手口とは
「豚の屠殺詐欺/豚の食肉解体詐欺(Pig Butchering Scam)」は、どのような手口で行われているのでしょうか。
そこで、豚の食肉解体詐欺の手口を詳しく解説します。
- ターゲットと接触する
- 信頼関係を築く
- 投資話を持ち掛ける
- 仮想通貨を購入させ、送金させる
- 仮想通貨やお金を騙し取る
STEP1:ターゲットと接触する
まずはじめに、詐欺師はInstagramやFacebookなどのSNSやマッチングアプリなどから、
「久しぶり!この前は楽しかったね」
「とても素敵な写真だったのでメッセージしました」
など、誤送信のふりや、他愛もない会話のメッセージを送信します。
こういったメッセージは無視する人がほとんどかと思いますが、これに対して返信をしてくれた人物が、詐欺師のターゲットとなるのです。
詐欺師はターゲットと他愛のない会話をしながら、トークアプリの「WhatsApp」や「WeChat」、日本では「LINE」に誘導していくケースが多く報告されています。
STEP2:信頼関係を築く
豚の食肉解体詐欺では、会話をはじめてからすぐに投資話を持ち掛けることはありません。
趣味や家族の話、今日の出来事など、お金に関係ない会話を続けることで、長い時間をかけてターゲットを安心させ、信頼関係を築いていくのです。
また、お金の話は一切せずとも、資産を持っていることがわかるように見せる場合もあります。
さらに、ロマンス詐欺の手口で、会話を続けていく中で、
「あなたは私の運命の人だ」
「結婚しよう」
などと情熱的にアプローチをし、恋人関係などになりすます詐欺師もいるため、非常に注意が必要です。
そして詐欺師は、数週間から数か月という時間をかけて、ターゲットと信頼関係を築き上げます。
STEP3:投資へ勧誘する
ターゲットと信頼関係が築けた頃、詐欺師は「仮想通貨で儲けている」ということを伝えます。
そしてその際、
「必ず儲かるから大丈夫」
「自分は仮想通貨で資産が増えた」
などと話し、投資へ勧誘します。
ロマンス詐欺の手口の場合は、
「二人の将来のために一緒に投資をしよう」
「仮想通貨で儲かったら結婚しよう」
などと将来を匂わせ、投資へ勧誘します。
STEP4:仮想通貨を購入させ、送金させる
投資へ勧誘したあとはターゲットに対し、ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨を購入させ、詐欺師が運営している【架空の仮想通貨取引所】に仮想通貨を送金させます。
そして、仮想通貨を送金してすぐに、サイト上では利益が出たように表示されます。
するとターゲットはより詐欺師を信頼し、「もっと仮想通貨を購入して利益を得よう」と考えるのです。
しかしこれは、お金をより騙し取るための詐欺師のワナです。
なぜなら仮想通貨を送金した先は、詐欺師が運営している偽サイトであり、実際の取引は行われていないからです。
この【架空の仮想通貨取引所】は、実在する証券会社などの社名を騙った偽サイトや、実在する仮想通貨取引所そっくりにつくられた偽サイトに誘導されるケースが非常に多く確認されているため、騙されないようくれぐれもご注意ください。
STEP5:仮想通貨やお金を騙し取る
豚の屠殺詐欺の最大の特徴は、「投資で得た利益を出金しようとしても、出金できない」ことです。
利益を出金しようとすると、「出金するための手数料」や「利益に対する税金」など様々な名目で繰り返しお金を要求されますが、いくら追加で入金しても実際に出金することはできません。
そしてある日突然、詐欺師と連絡がつかなくなり、サイトへもアクセスできなくなり、仮想通貨やお金を騙し取られたことに気が付く、という結末を迎えることになってしまうのです。
また、少額の出金に応じることでターゲットを安心させ、より仮想通貨を送金させる手口も確認されているため、「初めの頃は出金できたから」といって、詐欺師を信頼しないようくれぐれもご注意ください。
豚の屠殺詐欺に騙されないためには
「豚の屠殺詐欺/豚の食肉解体詐欺(Pig Butchering Scam)」では、長い時間かけて詐欺師を信頼させることで、詐欺であることに気づかずに、莫大なお金を騙し取られてしまうことが分かりました。
では、豚の屠殺詐欺に騙されないためにはどうしたよいのでしょうか。
そこで豚の食肉解体詐欺に騙されないための対策を解説します。
見知らぬ人からのメッセージには返信しない
豚の屠殺詐欺は、SNSやマッチングアプリ、メールといったインターネット上の媒体を通して、誤送信や人違いなどを装ってメッセージを送ってくるところから始まります。
見知らぬ人からのメッセージに返信しないだけで、豚の屠殺詐欺の被害に遭う可能性をグッと減らすことができるます。
そのため、他愛もないメッセージや誤送信を装ったメッセージなど、見知らぬ人からのメッセージは全て無視するようにしましょう。
SNSで知り合った人物からの投資話は詐欺を疑う
近年の投資詐欺では、SNSで知り合った人物から投資話を持ち掛けられ、お金を騙し取られたという被害が相次いで発生しています。
SNSで知り合った人物がとても気の合う友人になったとしても、恋人関係になったとしても、投資話や儲け話を持ち掛けられた場合は全て詐欺です。
なぜなら詐欺師は、”お金を騙し取るため”に、気の合うフリや好意があるフリをするからです。
そのため、SNSをはじめインターネット上で知り合った人物から投資話や儲け話を勧められた場合は詐欺を疑い、それ以上関係を持たないようくれぐれもご注意ください。
Pig Butchering Scam(豚の屠殺詐欺)には要注意
いかがでしたでしょうか。
この記事では、「豚の屠殺詐欺/豚の食肉解体詐欺(Pig Butchering Scam)」の手口や対策について解説しました。
豚の食肉解体詐欺は、金銭的な被害に加え、信頼していた人物から騙されたという精神的な被害を受けるという、非常に悪質な手口の詐欺であることがわかりました。
そのため、豚の屠殺詐欺は被害を未然に防ぐことが何より大切です。
- 見知らぬ人からのメッセージに返信しない
- SNSで知り合った人物からの投資話は全て詐欺
この記事を通して、詐欺被害防止の一助になれば幸いです。
SNSを通じた投資詐欺のその他の手口は、下記の記事もご参照ください。