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突然ですが、今から約12年前の2012年、厚生年金基金からの預かり資産約2100億円の大半を消失させたとして世間を騒がせた「AIJ投資顧問の年金消失事件」をご存じでしょうか？
厚生年金と厚生年金基金の違いってなんですか？
厚生年金は公的年金、厚生年金基金は私的年金っていう違いがあるわよ。厚生年金は国が管理して、厚生年金基金は企業が管理することが一般的ね。
そして今回ご紹介するAIJ投資顧問の年金消失事件は、企業が管理する厚生年金基金が該当します。
では一体このAIJ投資顧問の年金消失事件とは、どんな事件だったのでしょうか。
また、AIJ投資顧問の年金消失事件に関わった人物は、どんな人物だったのでしょうか。
そこでこの記事では、AIJ投資顧問の年金消失事件について、詳しく・分かりやすく解説するぞ。
あわせて、AIJ投資顧問の年金消失事件被害での返金はできるのか？についても解説していきます。
AIJ投資顧問の会社概要は？悪質な投資顧問会社だった？
まずはじめに、AIJ投資顧問の会社概要について解説するぞ。
AIJ投資顧問は、浅川和彦氏(のちのAIJ投資顧問年金消失事件の主犯格)が1989年4月に設立した投資顧問会社です。
| 会社名 | AIJ投資顧問株式会社 |
| 事業内容 | 投資顧問業 |
| 代表者 | 浅川和彦(代表取締役) |
| 住所 | 〒103-0027 東京都中央区日本橋2-2-6 |
AIJ投資顧問株式会社は、中小企業の厚生年金基金の運用を主力としており、2011年9月末時点では、124もの企業年金から1984億円の資産運用を受託していたといいます。
中には、病院や名の知れた企業もあったようね。
そして2012年1月下旬、証券取引等監視委員会の監査により年金消失が発覚し、金融庁から行政処分を受けました。
翌年、AIJ投資顧問株式会社は株式会社MARUへ社名を変更したものの、2015年に破産しました。
行政処分を受けた後に社名を変更するって、悪質な会社のあるあるだよなー！
社名を変更したって過去の悪行がなかったことにはならないがな。
AIJ投資顧問の年金消失事件の概要
AIJ投資顧問の年金消失事件とは、厚生年金基金から預かった資産約2100億円の大半を、ずさんな運用で消失させたという衝撃的な事件です。
ではここで、AIJ投資顧問の年金消失事件は何故起きたのか、どんな事件だったのか、分かりやすく解説していきます。
AIJ投資顧問の年金消失事件はなぜ起きた？
AIJ投資顧問の年金消失事件の原因は、以下に遭ったのではないかと考えられています。
・AIJ投資顧問は当初から運用に失敗していたにもかかわらず、事実を公表せずに、大きな収益を出しているように見せかけていたこと
・厚生年金基金が、AIJ投資顧問の詐欺行為を見抜けなかったこと
AIJ投資顧問は、2003年頃から損失が出始めていましたが、虚偽の運用実績を顧客に掲示し、勧誘を行っていたと見られています。
AIJ投資顧問は突出した運用実績を誇っていたとして、注目を集めたようね。
リーマンショックで世界的に株価が急落していたときも、プラスを記録していたと嘘をついていたようだ。
しかしAIJ投資顧問は、顧客に対しての詳細な説明を拒んだり、「年金情報」をはじめとした業界誌の取材を拒否したりするなど、怪しい点が多々見られていたということです。
怪しい点がたくさんあったのに、厚生年金基金は見抜けなったのでしょうか…。
見抜けなかったのか、厚生年金基金の管理体制がずさんだったのか、気になるところだよな。
AIJ投資顧問が行っていた受託資産のずさんな管理や詐欺行為は、いたって単純な手口だったと見られていますが、その実態を見抜くことができなかった厚生年金基金にも責任があるのでは？という声も非常に多く見られていました。
AIJ投資顧問の年金消失事件の経緯
ではここで、AIJ投資顧問の年金消失事件の発覚から現在までの経緯を見てみよう。
2012年1月下旬 ：年金消失発覚
2012年2月：AIJ投資顧問に行政処分
2012年3月：AIJ投資顧問株式会社への強制捜査開始
2012年6月：詐欺容疑で浅川容疑者、高橋成子容疑者、西村秀昭容疑者、小菅康一容疑者ら4人を逮捕。
2013年7月：検察側は浅川被告に懲役15年、高橋被告と西村被告に懲役8年を求刑。
2013年12月：浅川被告に対して求刑通り懲役15年、高橋被告と西村被告に懲役7年の実刑判決を下したと当時に、3人に対して追徴金計156億円の支払いを命じた。
2016年4月：3人に対して実刑判決が確定
2012年1月下旬、証券取引等監視委員会の検査で、運用資産の大半が消滅していることが判明したことがきっかけで、AIJ投資顧問の年金消失事件は発覚しました。
2012年2月、金融庁はAIJ投資顧問に対して一か月の業務停止命令と業務改善命令の行政処分を実施。
2013年3月、警視庁捜査第二課は、虚偽の運用実績で二つの年金基金から約70億円を騙し取ったとして、詐欺容疑で浅川容疑者、高橋成子容疑者、西村秀昭容疑者、小菅康一容疑者ら4人を逮捕。
その後2016年には、浅川被告に対して懲役15年、高橋被告と西村被告に懲役7年の実刑判決が確定しました。
AIJ投資顧問で逮捕された人物の経歴とは
AIJ投資顧問の年金消滅事件で逮捕された人物は、いったいどんな経歴だったのでしょうか。
それぞれ詳しくみていきましょう♪
浅川和彦の経歴
浅川和彦氏は、AIJ投資顧問の代表取締役を務めていた人物です。
AIJ投資顧問の年金消滅事件の首謀者と言われているぞ。
横浜市立大学卒業後、1975年に野村證券に入社。「伝説の営業マン」と呼ばれ、順調に出世していたが1994年に突然退社。
退社後は野村證券のOBが数多く在籍するペイン・ウェーバー証券東京支店へ入社。
その後、ペイン・ウェーバー証券会社から女性秘書を引き抜き。AIJ投資顧問株式会社の前身であるエイム・インベストメント・ジャパンを買収し、独立。
2004年に社長に就任した。
実力のある元証券マンってところか。きっと口がうまいんだろうな～！
高橋成子の経歴
高橋成子氏の経歴は公表されておらず、経歴はわかりませんでした。
謎多き人物ね。
一部の週刊誌では、浅川和彦氏はペイン・ウェーバー証券会社時代に引き抜いた女性秘書が高橋成子氏だったのでは、と言われています。
西村秀昭の経歴
西村秀昭氏は、AIJ投資顧問の実質的なグループ会社と言われているアイティーエム証券の代表取締役を務めていました。
1979年に山一証券に入社。主に政府機関の債券発行やM&Aで活躍。
1998年1月に山一証券を退社後、アイティーエム証券を設立。
西村秀昭氏もやり手の元証券マンだったんだな。
AIJ投資顧問とアイティーエム証券がグルになって、詐欺行為を働いていたというわけか。
AIJ投資顧問の年金消失事件の返金は可能？
AIJ投資顧問の年金消失事件は2016年4月、浅川和彦被告ら3人に実刑判決が確定し、一区切りがつきました。
失われた運用資産約2100億円のうち回収済みの年金資産は85億円（運用資産の約6％）にとどまり、加入者は見込んでいた年金を受給できない事態に陥っています。
そんな中、「AIJ投資顧問の年金消失事件の被害者は、返金できるの？」と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論から伝えると、返金される可能性は非常に低いと考えられるわね。
無い袖は振れないといったところか。
とはいえ、被害者が受けた金銭的な被害や精神的な苦痛は計り知れません。
同様の事件が二度と起きないような対策や、被害者に対する補填などが望まれます。
AIJ投資顧問の年金消滅事件まとめ
いかがでしたでしょうか。
厚生年金基金という信頼できる機関が委託した企業によって発生した、AIJ投資顧問の年金消失事件は、非常に大きな波紋を呼びました。
厚生労働省によりますと、現在約530存在する厚生年金基金のうち、すでに123の厚生年金基金は解散方針を固めているということです。
また、残りの基金も10年程度で解散する見通しだと言います。
AIJ投資顧問の年金消失事件をきっかけに、厚生年金基金の存在意義が見直されたということですね。
しかし、厚生年金基金が解散することによって、企業年金部分の支給はなくなり、本来受け取れるはずだった現役世代の加入者は給付を受けられなくなってしまうのです。
事件はひと段落したものの、今後も被害は広まる一方ってことか…。
公的な年金の給付水準も年々下がっていることから、私的年金・公的年金とわず、年金制度全体の制度を見直してほしいと強く願います。
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