S DIVISION HOLDINGSの投資詐欺疑惑とは?金融庁から業務停止命令?
 

目次

 

2023年11月1日、S DIVISION HOLDINGS INC.(エスディヴィジョン)及び、株式会社STEPCAPITALMANAGEMENT(ステップキャピタルマネジメント)の両社に対して金融商品取引法違反行為が認められ、業務停止・禁止が命令されました。

 

「S DIVISIONはなんで業務停止・禁止になったの?」

「S DIVISIONは投資詐欺を行っていたの?」

このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

 

そこでこの記事では、S DIVISION(エスディヴィジョン)が業務停止・禁止が命令された事例の詳細や、投資詐欺の疑惑がかかっている理由について、解説していきます。

 

S DIVISIONが金融庁から業務停止命令を受けた事例の詳細

S DIVISIONが金融庁から業務停止命令を受けた事例の詳細

 

2023年6月28日、証券取引等監視委員会は、フィリピンにある投資会社「S DIVISION HOLDINGS INC.」と、S DIVISION(エスディヴィジョン)の関連企業で日本法人の「株式会社STEPCAPITALMANAGEMENT」の二社で会長を務める男性に対し、金融商品取引法に違反したとして、業務の禁止と停止を命じるよう大阪地裁に申し立てました。

 

証券取引等監視委員会によりますと、S DIVISION(エスディヴィジョン)は2022年7~9月までに約56億円、STEPCAPITALMANAGEMENT(ステップキャピタルマネジメント)は2021年9月と12月に約4億6000万円の社債を発行し、有価証券届出書を提出せずに、外国社債の募集を行っており、両者は2016年~2022年11月までの間に少なくとも投資家ら4000人超えに対し、約200億円の外国社債や社債を販売し、「元本償還されるので、リスクが少なく利率が高い」などと勧誘していたといいます。

 

証券取引等監視委員会の調査結果によりますと、社債で集めた資金はS DIVISIONの運転資金に充てていたとみられています。

また、S DIVISION(エスディヴィジョン)とSTEPCAPITALMANAGEMENT(ステップキャピタルマネジメント)両社が社債で集めた金額は、証券取引等監視委員会が過去に業務停止命令を申し立てた中で、過去二番目の規模だったということです。

 

2023年11月1日、大阪地方裁判所より、S DIVISION(エスディヴィジョン)とSTEPCAPITALMANAGEMENT(ステップキャピタルマネジメント)に対して、金融商品取引法違反行為(無届募集及び無登録金商業)であると認め、当該行為を行うことの禁止及び停止を命令しました。

 

 

S DIVISION投資詐欺疑惑の詳細とは?

S DIVISION投資詐欺疑惑の詳細とは?

 

S DIVISIONはフィリピンで証券、不動産、金融、BPOを営む企業だといいます。

 

ではなぜS DIVISIONは投資詐欺の疑惑がかかったのでしょうか。

その理由について解説します。

 

エスディヴィジョンに投資詐欺疑惑がかかった理由
  • 社債で集めた資金がS DIVISIONの運転資金に充てられていたから
  • 金融庁に無登録で社債の発行・募集を行っていたから

     

    S DIVISIONらが勧誘していた社債とは?

     

    まずはじめに、社債について解説します。

    社債とは、企業の資金調達の方法のひとつで、投資家から借り入れを受けたという形になるため、返済義務があります。

    そのため、社債を購入した投資家に対して定期的に利息を支払い、満期には元金を償還する必要があります。

     

    投資や株との大きな違いは、投資や株購入における元本保証は出資法に違反しますが、社債は借り入れ扱いとなるため元本償還されることです。

     

    S DIVISIONはフィリピン投資や資産運用を行う会社で、フィリピン投資として外国社債を発行し、ローリスクかつ高利回り案件であると募集を行っていました。

     

    その内容は、

    • 100万円で金利8%
    • 300万円で金利10%
    • 500万円で金利12%

    かつ、2027年まで月一回の配当があるというものでした。

     

    S DIVISIONのフィリピン社債を購入した投資家らの多くに、返金がなされていないとみられており、被害は拡大していくとみられています。

     

    S DIVISIONが行っていた外国社債の投資勧誘のみならず、このような社債に関する投資トラブルは頻繁に起きています。

    社債を購入する際は、信用できる企業なのか、またその企業が倒産するリスクや返金されないリスクなどを踏まえて余剰金で購入するなど、注意するようにしてください。

     

     

    社債で集めた資金はS DIVISIONの運転資金に充てられていた

     

    証券取引等監視委員会の調査結果によりますと、社債で集められた資金は、フィリピンにおける事業のために送金されたのはごく一部で、そのほとんどがエスディヴィジョンの運転資金に充てられていたことが判明しました。

     

    ここで考えられるのは、有名かつ古典的な投資詐欺の手口、ポンジ・スキームです。

    ポンジ・スキームとは、高利回りを謳う投資に出資を募り、集めた資金を運用しているように見せかけますが、実際には集めたお金の一部を出資者に配当金として渡しているだけ、という古典的な詐欺の手口です。

    ポンジ・スキームでは、出資者が増え続けているうちは配当金(実際は出資金の一部の横流し)が得られるため、詐欺の被害に気が付きにくいという特徴があります。

     

    S DIVISIONがポンジ・スキームの手口で投資詐欺を行っていたという確証があるわけではありませんが、フィリピン投資を謳って集めた社債の資金のほとんどがS DIVISIONの運転資金に充てられていたということは、そういった可能性も考えられるでしょう。

     

    ポンジ・スキームの手口は、様々な投資分野で見られる詐欺手口なので、高利回りを謳う投資勧誘にはくれぐれもご注意ください。

     

     

    金融庁に無登録で社債の発行・勧誘を行っていた

     

    S DIVISIONが投資詐欺をしていたという疑惑がかかった最大の理由は、金融庁に無登録で社債の発行・募集を行っていたからです。

     

    社債は有価証券の扱いになるため、社債の発行や募集を行う場合は、金融庁に有価証券届出書を提出する必要があります。

    しかし、エスディヴィジョンは金融庁へ有価証券届出書を提出せずに、社債の募集を行っていました。

     

    仮に、外国の金融ライセンスを取得していたとして、日本居住者に向けて金融商品取引業に該当する業務を行う場合は、金融庁への登録が必要です。

     

    近年、無登録事業者による投資詐欺の被害が多発しているため、社債の購入などを行う際は、金融庁に登録・認可を受けた事業者か必ず確認するようにしてください。

     

    金融庁

    免許・許可・登録等を受けている業者一覧

    https://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyo.html

    無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について

    https://www.fsa.go.jp/ordinary/chuui/mutouroku/01.pdf

    有価証券届出書を提出しているかどうか

    https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/WEEK0010.aspx

     

     

    金融庁に登録されていない事業者からの勧誘には要注意!

    金融庁に登録されていない事業者からの勧誘には要注意!

     

    この記事では、S DIVISION(エスディヴィジョン)とSTEPCAPITALMANAGEMENT(ステップキャピタルマネジメント)が金融庁に有価証券届出書を提出せずに業務を行っていた金融商品取引法違反が認められ、業務停止および禁止が命令された事例について解説しました。

     

    今回ご紹介したものは、金融庁に届け出を行っていない企業による社債トラブルでしたが、近年では、無登録事業者による投資詐欺被害が多発しています。

     

    また、InstagramやFacebook上に掲載されている投資関連の広告にアクセスしたことがきっかけで、無登録事業者からの投資に勧誘されてお金を騙し取られるという被害が深刻化しているため、くれぐれもご注意ください。

     

    そのため、社債をはじめとする投資に関する勧誘を受けた際は、金融庁に認可されているか、届け出を提出している事業者かどうかを必ず確認し、認可を受けていない・届け出を提出していない事業者だった場合は詐欺だと考えられるため、利用しないようご注意ください。

     

     

    当サイトとしての願いは、投資詐欺の被害に遭う方が一人でも多く減ることです。

    この記事が、被害撲滅の一助になれば幸いです。

     

    投資詐欺の手口については、こちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。

    投資詐欺の手口

     

     

     

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