アメリカ国内でのサイバー攻撃は投資詐欺の被害額が最多を記録
 

目次

 

近年、日本ではSNSを通じて知り合った人物に勧誘されたり、SNS上に掲載されていた投資広告にアクセスしたことがきっかけで、投資詐欺の被害に遭うケースが非常に増えており、連日ニュースで被害事例が報道されるほど深刻な事態となっています。

 

そんな中、アメリカでも投資詐欺の被害が急増しており、サイバー攻撃の中で投資詐欺の被害額が最も多く、中でも仮想通貨を騙し取る被害が多かったということです。

 

そこでこの記事では、アメリカにおける2022年度のサイバー攻撃の被害や投資詐欺について解説します。

 

アメリカにおける2022年度のサイバー攻撃の詐欺被害とは

アメリカにおける2022年度のサイバー攻撃の詐欺被害とは

 

FBIによりますと、2022年度におけるアメリカのサイバー攻撃被害の中で、投資詐欺が最大だったといいます。

投資詐欺の被害額は前年比127%増の約33億ドル(約4600億円)で、そのうちの多くは仮想通貨を騙し取る手口による被害だったということです。

 

 

2022年度アメリカのサイバー攻撃の被害額

出典:日本経済新聞

 

アメリカを拠点とするブロックチェーン分析企業のチェイナリシスの調査によりますと、全世界では約59億ドル(約8300億円)の仮想通貨詐欺の被害が発生しているというのです。

特に、SNSの投稿へのコメントなどからターゲットと接触し、時間をかけて交友関係を築いた後に、仮想通貨への投資を呼び掛ける手口が見られているということです。

 

さらに、最初のころは仮想通貨への投資で得た利益を出金させて相手を信頼させた後、税金の支払いや出金手数料、保証金などの名目で、細かく追加の支払いを要求し、莫大な金額を騙し取るという悪質な手口が使われていると報告されています。

 

近年の大規模な投資詐欺の事例から、東南アジアを拠点にした犯罪組織が関わってるとみられており、人身売買や誘拐で集めた人を強制的に働かせているケースも確認されていす。

 

実際に日本でも近年、SNSやインターネット上を通じた投資詐欺の被害が急増しており、甚大な被害が発生していることから、非常に問題になっています。

 

仮想通貨が詐欺に使われる理由は、一度仮想通貨を送金してしまうと、送金先の個人情報の開示が難しく、お金の流れを追うことが非常に困難であることがあげられます。

 

仮想通貨詐欺を防ぐために今後は、ブロックチェーン上に残った取引データを大量に集めることで、詐欺グループが管理しているウォレットを特定し、仮想通貨交換所に「詐欺グループが使用しているウォレット」への送金を止めさせて、捜査機関にウォレットの資金を押収してもらえるようなシステムの構築を進めていくということです。

 

このシステムが構築されると、今まで高額被害かつ返金請求ができない仮想通貨詐欺にも、犯罪組織が摘発されるだけでなく、仮想通貨詐欺で騙し取られた被害額の返金請求が可能になるかもしれませんので、一刻も早い実用化が望まれます。

 

 

アメリカの投資詐欺の手口とは

アメリカの投資詐欺の手口とは

 

アメリカの投資詐欺は、いったいどのような手口で行われているのでしょうか。

そこで、アメリカの投資詐欺の手口を解説します。

 

SNSで知り合った人物から勧誘される

 

近年急増している投資詐欺では、FacebookやInstagramなどのSNSを通じて知り合った人物から、仮想通貨への投資を勧誘され、お金を騙し取られる事例が相次いでいます。

 

はじめは、SNSへのコメントやメッセージなどのやり取りから始まり、長い時間をかけてターゲットと交友関係を築いていきます。

そして、信頼関係が築けたころ、仮想通貨への投資を勧誘します。

 

類似の手口では、SNSでのやり取りからはじまり、ロマンス詐欺のように恋愛感情を悪用し、仮想通貨への投資を勧誘する手口も確認されています。

 

SNSで知り合った人物から投資へ勧誘された場合、その人物は”投資へ勧誘してお金を騙し取る”ことを目的としています。

”投資へ勧誘してお金を騙し取る”目的を達成するために長い時間をかけて信頼関係を構築させるので、騙されないようくれぐれもご注意ください。

 

 

SNS広告から勧誘される

 

近年、InstagramやFacebookを運営しているMeta社が掲載している投資関連の広告から、投資詐欺の被害に遭う事例が急増しています。

実在する著名人や実在する証券会社などを騙って投資を呼び掛けるような広告だったり、AIのディープフェイク技術で作成されたフェイク動画で投資へ勧誘する広告だったりと、手口は巧妙化しているため非常に深刻な状態だと言えるでしょう。

 

日本でも同様の手口による投資詐欺の被害が急増しているため、SNS上に掲載されている投資関連の広告は詐欺を疑い、アクセスしないようご注意ください。

SNS上に掲載されている詐欺広告については、こちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。

 

 

アメリカで多いサイバー犯罪の手口とは

アメリカで多いサイバー犯罪の手口とは

 

ではここで、アメリカで多いサイバー犯罪の手口をご紹介します。

 

 

4位:ランサムウェア被害

 

ランサムウェアとは、パソコンなどの端末に侵入し、ファイルを暗号化したりデバイスをロックしたりして、データの復元と引き換えに身代金を要求するマルウェアです。

 

ランサムウェアによって暗号化されたファイルを復元することは非常に困難かつ、身代金を支払ってもデータが復旧する保証はないという非常に悪質な手口です。

 

近年のランサムウェア被害は、個人を狙ったものより企業や病院など大きい組織を狙う傾向にあり、被害に遭うと莫大な損失が発生してしまいます。

一度被害に遭ってしまうと損害が大きいため、セキュリティソフトを導入するなどランサムウェアを未然に防ぐ対策が何より大切です。

 

ランサムウェアの詳しい手口はこちらの記事で解説していますので、あわせてご参照ください。

ランサムウェアの手口

 

 

3位:コールセンター詐欺

 

コールセンター詐欺は、普段ネットを使用しない高齢者を狙った詐欺の手口です。

 

コールセンター詐欺の手口とは

コールセンター詐欺の手口

(出典:電話を使ったサイバー攻撃

1.コールセンター詐欺では、コンピュータセキュリティやソフトウェア企業、自治体などを騙ったメールを送信します。

2.そしてメールの本文には、カスタマーサポートへ電話するよう誘導する文章が記載されています。

3.ターゲットが記載されている電話番号に電話をかけると、偽のカスタマーサポートに繋がるようになっており、偽のカスタマーサポートからウェブサイトに遷移したり、アプリをダウンロードしたりするよう指示が出されます。

4.ターゲットに対して、ウェブサイトやアプリのリモートアクセスを許可するよう指示を出した後、端末内に記録されているクレジットカード情報を盗んで不正利用したり、銀行口座情報を盗んで不正送金したりなどします。

 

コールセンター詐欺における最初のきっかけはメールですが、「被害者が自ら偽のカスタマーサポートに電話をしてしまう」というところがこの詐欺の最大の特徴です。

 

身に覚えのない請求やお知らせなどのメールが届いた場合、メール内に記載されている電話番号に安易に電話をかけないようご注意ください。

 

 

 

2位:ビジネスメール詐欺

 

ビジネスメール詐欺とは、企業を狙ったフィッシング詐欺のことで、企業の重要な情報が盗み出されたり、不正送金の被害に遭うなど、莫大な被害が発生する可能性がある非常に悪質な詐欺手口となっています。

 

過去のビジネスメール詐欺では、会社のCEOや役員、上司などになりすまし、部下にメールで電子ギフトカードを購入するよう依頼する「ギフトカード詐欺」が横行していました。

 

次のビジネスメール詐欺では、会社の役員や従業員、その関係企業のメールアカウントに侵入し、その人のメールアドレスからフィッシングメールを送信する手口が確認され、メールアドレスでなりすましを判別できない場合が多いため、被害が多く発生しました。

 

そして最新のビジネスメール詐欺では、実在する企業のアカウントからメールを送信し、フィッシング攻撃を行うという非常に巧妙な手口が用いられるようになりました。

また、最新のビジネスメール詐欺は、実在する企業のアカウントからメールを送信するため、迷惑メールフィルターなどで防ぐことがほぼ不可能という特徴を持ちます。

 

ビジネスメール詐欺の手口は年々巧妙化しており、被害も非常に増えています。

 

個人のメールと違い、ビジネスメールの場合だと重要なお知らせが届く可能性があるため、メールを無視することが難しい傾向にあります。

そのため、ビジネスメール詐欺の被害を防ぐためには、メールの送り主は誰なのか、内容に怪しい点はないか、といったことを常に確認するようにしましょう。

 

ビジネスメール詐欺の詳しい手口はこちらの記事で解説していますので、あわせてご参照ください。

ビジネスメール詐欺の手口

 

 

 

1位:投資詐欺

 

アメリカのみならず、近年では世界的に投資詐欺の被害が深刻化しています。

その筆頭ともいえるのが、InstagramやFacebook上に掲載されている投資に関する詐欺広告による投資詐欺被害です。

 

投資に関する詐欺広告では、有名人や著名人、実在する証券会社の名を騙ったり、実在する人物の写真や音声からAIで合成したフェイク動画などで投資へ勧誘する広告を掲載し、集客をしています。

 

 

オーストラリアでは、InstagramやFacebookを運営しているMeta社に対して、詐欺広告への投資を怠ったとして提訴するなど、世界的に甚大な被害が発生していることがうかがえます。

またアメリカでは、仮想通貨に関する詐欺被害が非常に増えており、2022年度の被害額は25億ドルで、2021年から183%も被害が増えたということです。

 

 

アメリカで発生している詐欺被害まとめ

アメリカで発生している詐欺被害まとめ

 

いかがでしたでしょうか。

詐欺被害は日本のみならず、世界中で発生しており、甚大な被害を生み出しています。

 

また、現在アメリカで広まっている手口でも日本ではあまり馴染みがないものもあるかもしれません。

しかし、遅れて日本に上陸することは十分考えられますので、手口や事例を知っておき、対策することは非常に大切です。

 

この記事を通して、一人でも多くの方が詐欺被害を防げることを願っています。

 

 

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