目次
オレオレ詐欺とは、親族が起こした事件・事故に対する示談金などを名目にお金を騙し取る詐欺の手口です。
オレオレ詐欺という呼称が一般的になってから、すでに20年以上の月日が経っているにもかかわらず、いまだにオレオレ詐欺の被害は後を絶ちません。
メディアや警察による再三の注意喚起がされてもなお、オレオレ詐欺の被害が減らないのは何故なのでしょうか。
それは、今のオレオレ詐欺の実行犯たちが手にしている名簿には、名前はもちろん家族構成や貯蓄額など、実に詳細な情報が記載されているからです。
そこでこの記事では、オレオレ詐欺の手口や被害を防ぐための対策など、詐欺返金110番が丁寧に解説していきます。
オレオレ詐欺の手口
オレオレ詐欺では、子供や孫になりすました犯人から電話がかかってきます。
- 風邪ひいて喉の調子がおかしい
- 携帯をなくして番号が変わった
などといって、不自然に思われないような言い訳をします。
ではいったいそこからどのようにして、お金を騙し取るのでしょうか。
オレオレ詐欺の手口をご紹介します。
電話をかける
オレオレ詐欺では、子供や孫などの親族、警察官や弁護士などになりすました犯人から電話がかかってくるところから始まります。
その後、現金などを要求され、自宅や指定された駅などに持ってくるよう指示を出されます。
また、犯人側は金融機関の窓口で詐欺被害防止のために引き出し理由を確認することを知っているため、銀行での振る舞いについても指示してくることがあります。
お金を受け取る
その後、上司や同僚、知人などになりすました犯人が、お金を引き取ります。
また、受け子と呼ばれる犯人がお金を引き取るように仕向けるので、本物のお子さんが来ることはありません。
オレオレ詐欺の逮捕事例
オレオレ詐欺では、多数の逮捕事例が発生しています。
そこで、オレオレ詐欺の逮捕事例を2つご紹介します。
オレオレ詐欺の逮捕事例1
新潟県に住む80代の女性から、現金700万円をだまし取ったとして、住所不定の女子中学生が逮捕された事例をご紹介します。
警察によりますと、女子中学生は男と共謀し、2023年6月、新潟県に住む80代の女性から、現金700万円を騙し取った疑いが持たれています。
共犯者の男が息子を装って被害者の女性に電話をかけ、「公衆電話に財布や携帯電話を忘れてしまった。今日中に会社の取引でお金を支払わなければならない。お母さんの方でお金を用意してほしい」などと嘘をつき、女子中学生が”息子の上司の娘”になりすまして、被害者宅を訪れ、現金を受け取っていたということです。
警察は詐欺グループによる犯行とみて、女子中学生や共犯の男が関わったいきさつを慎重に調べています。
また、逮捕された女子中学生は、あちこちを転々としながら生活していたということです。
オレオレ詐欺の逮捕事例2
高齢女性4人から、現金1000万円以上を騙し取ったとして、大阪府に住む15歳の男子高校生が逮捕された事例をご紹介します。
逮捕された男子高校生は2023年3月31日、何者かと共謀して、息子などになりすまして電話をかけ、会社の同僚の子どもを名乗る男子高校生が女性の自宅を訪れ、現金約150万円を騙し取った疑いがもたれています。
警察によりますと、女性は被害に気が付いて警察に通報し、防犯カメラの映像などから男子高校生の関与が浮上し、逮捕に至ったということです。
警察はその後の捜査で、大阪府に住む高齢女性3人からあわせて約900万円を騙し取ったことも判明しました。
男子高校生は警察の調べに対し、当時交際していた女性に「お金をかせげるよ」などと誘われたと話しているということです。
警察は組織的な犯行とみて、全容解明を進めています。
オレオレ詐欺の受け子について
先ほどご紹介したオレオレ詐欺の逮捕事例は、受け子と見られる人物が逮捕されています。
受け子とは、被害者から現金を受け取る役のことです。
そこで、オレオレ詐欺の受け子について解説します。
逮捕されるのは受け子ばかり
特殊詐欺の逮捕事例において、逮捕されるのは受け子ばかりです。
なぜなら、実際に被害者と顔を合わせるなどの行動をしていることから、特殊詐欺に関わる人物の中で最も逮捕されやすい立場にいるためです。
受け子は詐欺グループの末端であり、使い捨ての存在です。
受け子が逮捕されても、主犯格にはたどり着けないケースが多数あります。
闇バイトには関わらないよう、くれぐれもご注意ください。
「受け子だと知らなかった」は通用しない
「荷物を受け取るだけ」「書類を運ぶだけ」などと説明を受け、自分が犯罪に加担していると気が付かないまま逮捕されてしまうケースも見受けられます。
ですが、「知らなかった」という弁解が通用するとは限りません。
なぜなら、仕事内容に見合わない高額報酬、やりとりの履歴が残らないアプリで連絡を取り合うなど、はっきり「詐欺」「犯罪」と言われていなくても、「犯罪の可能性がある」という認識はあっただろうと認定されるケースが多いからです。
近年、逮捕される受け子は未成年であるケースも多く見受けられます。
軽い気持ちで、目先のお金にとらわれ、人生を棒にふってしまう闇バイトには関わらないようご注意ください。
闇バイトには要注意!
闇バイトは、高額報酬や簡単副業などを謳って、SNSなどで募集をかけています。
一度応募してしまうと、詐欺だと気が付いてやめようとしても、「家族を危険にさらす」「お前の住所知ってるんだぞ」などと脅しをかけてくることもあります。
高額報酬などを謳ったバイトや副業は、詐欺に巻き込まれるだけでなく、犯罪に加担させられる可能性があるということを、お含みおきください。
オレオレ詐欺の返金について
オレオレ詐欺で騙し取られたお金の返金は、困難であるケースが非常に多く存在しています。
なぜなら、オレオレ詐欺で逮捕されているのは、受け子などの末端の人間で、逮捕されてもお金は主犯格に流れてしまっているため、逮捕された受け子には返済能力がないと考えられるからです。
また、近年のオレオレ詐欺は、口座振り込みではなく、お金を直接手渡しすることから、振り込め詐欺救済法の対象外となります。
そのため、とにかくオレオレ詐欺の被害に遭わないようにすることが大切です。
オレオレ詐欺の被害を防ぐ対策3選
騙されてしまった場合の返金が難しいオレオレ詐欺は、とにかく被害を未然に防ぐことが大切です。
そこで、今すぐできるオレオレ詐欺の被害を防ぐ対策を3つご紹介します。
迷惑電話防止機能付き電話機を活用する
自宅に固定電話を設置している方は、迷惑電話防止機能付き電話を活用してください。
迷惑電話防止機器の機能は、相手に通話を録音する旨のアナウンスが入ったり、電話の着信音とともに注意喚起のアナウンスをしてくれるものです。
オレオレ詐欺をはじめとする特殊詐欺の被害も防ぐことができるため、ぜひ設置の検討をしてみてください。
在宅中も留守番電話に設定する
在宅中も常に留守番電話に設定することは、詐欺対策として有効です。
電話帳に登録している番号以外の電話に出ないようにするだけで、詐欺の被害に遭う確率をグッと減らすことができます。
万が一、留守番電話に怪しいメッセージが残っていたら、迷わず「#9110」に電話で相談してください。
日ごろから家族や親族と連絡を取り合う
詐欺被害を未然に防ぐためには、日ごろから家族や親族と連絡を取り合うことがとても大切です。
何か怪しい出来事が遭った際に、すぐに相談できる環境があると、詐欺被害に遭う可能性をグッと減らすことができます。
家族や大切な人を詐欺被害から守るためにも、こまめに連絡を取り合うことを意識すると良いでしょう。
オレオレ詐欺には要注意!
オレオレ詐欺は、子供や孫を思う心理を悪用した、非常に悪質な詐欺の手口です。
家族や大切な人を、詐欺被害から守るためにも、常に連絡を取り合い、詐欺の事件があれば共有するなどの対策が必要です。
当サイトとしての願いは、オレオレ詐欺をはじめとるす特殊詐欺が撲滅することです。
この記事を通して、オレオレ詐欺の被害に遭う方が一人でも多く減ることを祈っています。
オレオレ詐欺をはじめとする特殊詐欺については、こちらの振り込め詐欺の返金方法を解説記事で詳しくご紹介していますので、あわせてご参照ください。