目次
「振り込め詐欺」や「オレオレ詐欺」と聞くと、日本だけの詐欺手口だと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は「振り込め詐欺」や「オレオレ詐欺」といった特殊詐欺は、日本だけではなく世界各地で発生しており、その中でも中国・香港で急増しているというのです。
香港警察の統計によりますと、2023年1月~8月までの間に発生した詐欺事件は2万5,521件と、前年度に比べて52%も増加しており、その中でも特殊詐欺の増加率は74%にも上るということです。
日本も例外ではなく、警察庁の発表によりますと、2023年上半期における特殊詐欺の被害額は前年同期より26.8%増加、下半期も前年度を上回るペースで特殊詐欺が発生しており、非常に深刻な状態となっています。
そこでこの記事では、香港で特殊詐欺が急増している背景や、日本で特殊詐欺が急増している背景について解説していきます。
香港で発生している特殊詐欺とは
香港で急増している特殊詐欺の被害者は、中国本土出身の留学生や、香港で就職をした中国本土の出身者やその家族らで、詐欺グループはこれらの人物を新たなターゲットとして狙いを定めているということです。
その中でも特に被害が多いのが、香港で働く家族を手伝うために中国本土からやってきた高齢者だといいます。
また、香港に住む日本人に向け、在香港日本国領事館から詐欺事件に関して注意喚起がなされており、非常に深刻な事態であることがわかりました。
では、香港ではどのような手口による特殊詐欺が見られているのでしょうか。
そこで、香港で良く見られる特殊詐欺の手口を二つご紹介します。
香港の特殊詐欺1:劇場型詐欺の手口
一つ目の手口は、公安の捜査官や入管職員を装った人物が電話をかけ、「中国本土で違法なマネーロンダリングの捜査対象になってる」などと嘘の電話をかけ、その後、執法期間の役員を装った人物が「身元と資産の調査を行う」などと称して銀行の口座番号や暗証番号などの情報を聞き出し、被害者の口座からお金を騙し取る手口です。
劇場型の詐欺とは、警察官や医師、弁護士などを装った複数の人物から電話がかかってくる手口で、非常によく練られたストーリーでお金を騙し取られてしまいます。
日本でも近年、複数の人物から電話がかかってくる劇場型の手口でお金を騙し取られる事例で被害が相次いでいるため、注意が必要です。
香港の特殊詐欺2:オレオレ詐欺の手口
二つ目の手口は、詐欺グループのメンバーが被害者の親族や友人のふりをして電話をかけ、様々な理由をつけてお金を騙し取る手口です。
これは、日本でいう「オレオレ詐欺」の手口に非常に酷似しており、被害者の息子などを騙り、「警察に逮捕されてしまった。弁護士費用を立て替えてほしい」などと言葉巧みにお金を騙し取ります。
今のオレオレ詐欺の実行犯たちが手にしている名簿には、名前はもちろん家族構成や家族の勤め先、貯蓄額など、実に詳細な情報が記載されているため、電話口の話は絶対に信用せず、お金を用意する前に、家族に確認を取ることを決して忘れないでください。
日本で発生している特殊詐欺とは
日本でも、2023年上半期における特殊詐欺の被害額は、前年同期より26.8%増加しているということで、下半期も前年度を上回るペースで特殊詐欺が発生しており、非常に深刻な状態となっています。
特殊詐欺は、固定電話にかかってきた一本の電話がきっかけで被害に遭うことが多いことから、「自宅に滞在する時間が長かったコロナ禍のほうが特殊詐欺の被害が増えるのではないか?」という疑問を持つ方もいるかもしれません。
実はコロナ禍では、自宅に滞在する時間が長く、特殊詐欺の電話を受け取る機会は増えたものの、電子マネーを購入させるコンビニや銀行やATMなど、不特定多数の人が出入りする場所を避ける傾向にあったため、特殊詐欺の被害は減少傾向にあったのです。
そして、警視庁の発表によりますと、日本国内における2023年度の特殊詐欺が急増している理由は架空請求詐欺の増加で、前年同期の倍以上である2549件、被害額も68億8000万円と、甚大な被害が発生しています。
その中の半数近くが、「パソコンがウイルスに感染した」などと嘘の警告画面を表示させ、復旧名目で料金を請求するサポート詐欺による被害だといいます。
世界でサイバー犯罪が頻発していることを逆手にとり、不安に付け込むという卑劣な手口が使われていることから、特殊詐欺増加の背景には世界情勢や傾向なども関連しているということもわかりました。
国や言葉は違えど、特殊詐欺の手口は共通しているものも多く、今海外でよく使われている特殊詐欺の手口は今後日本でも増加する可能性があるため、特殊詐欺の被害を防ぐためには世界中で起こっている詐欺の手口を知ることも大切です。
特殊詐欺には要注意
この記事では、香港で特殊詐欺が急増している背景や、日本で特殊詐欺が急増している背景について解説しました。
振り込め詐欺やオレオレ詐欺などの特殊詐欺は、日本だけで発生しているのではなく、中国でも被害が急増しており、誰でも騙される可能性がある手口であるということが分かりました。
振り込め詐欺やオレオレ詐欺をはじめとする特殊詐欺では、相手の冷静な判断力を奪い、家族や第三者に相談する時間を与えないような方法でお金を騙し取ろうとします。
そのため、頭が真っ白になってしまうような状況であっても、家族に必ず確認するということを忘れないようにしてください。
そして、どんな状況であっても「詐欺かもしれない」と疑う気持ちを忘れないでください。
また、国や言葉は違えど、特殊詐欺の手口は共通しているものも多く、今海外でよく使われている特殊詐欺の手口は今後日本でも増加する可能性があるため、特殊詐欺の被害を防ぐためには世界中で起こっている詐欺の手口を知ることも大切です。
当サイトとしての願いは、オレオレ詐欺をはじめとする特殊詐欺が撲滅することです。
この記事を通して、オレオレ詐欺の被害に遭う方が一人でも多く減ることを祈っています。
オレオレ詐欺をはじめとする特殊詐欺については、こちらの振り込め詐欺の返金方法を解説記事で詳しくご紹介していますので、あわせてご参照ください。