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特殊詐欺と聞くと、高齢者が狙われる詐欺というイメージを持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、若い世代でも被害に遭う可能性があるため、他人事と思わずに手口や対策を知っておく必要があるのです。
また、自分自身が手口や対策を知っておくことで、身近な人を詐欺被害から守ることができます。
そこでこの記事では、
- 特殊詐欺の類型
- 特殊詐欺における認知件数の推移
- 特殊詐欺の被害を防ぐための対策5選
- 特殊詐欺の被害における返金請求の可否
について、詐欺返金110番が詳しく解説していきます。
特殊詐欺の10類型とは
特殊詐欺は大きく分けて10類型に分けられます。
特殊詐欺の被害者にならないために、身近な人を特殊詐欺の被害から守るために、しっかりと手口を事前に知っておくことが大切です。
では、それぞれの手口を見ていきましょう。
- オレオレ詐欺
- 預貯金詐欺
- 架空料金請求詐欺
- 還付金詐欺
- 融資保証金詐欺
- 金融商品詐欺
- ギャンブル詐欺
- 交際あっせん詐欺
- キャッシュカード詐欺盗
- その他の特殊詐欺
オレオレ詐欺
オレオレ詐欺とは、電話を利用して家族・警察官・弁護士・病院などを装い、家族が起こした事件・事故に対する示談金などの名目で、現金を騙し取る手口です。
「携帯電話番号が変わった」「風邪ひいて声が変わった」などの言葉は、家族になりすました詐欺師の常套句ですので、こういった内容の電話にはくれぐれもご注意ください。
オレオレ詐欺については、こちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
預貯金詐欺
預貯金詐欺とは、警察官や金融機関、役場の職員などを装い、キャッシュカードの交換が必要などと嘘をつき、預貯金通帳などを騙し取る手口です。
自治体や銀行協会、警察官などの職員が暗証番号を聞くことは絶対にありません。
また、キャッシュカードを預かりに来ることは絶対にありません。
「払戻し金がある」「キャッシュカードを取り換える必要がある」は、預貯金詐欺の常套句ですので、くれぐれもご注意ください。
預貯金詐欺については、こちらの記事で詳しく紹介していますのであわせてご参照ください。
還付金詐欺
還付金詐欺とは、公的機関や金融機関を名乗り、税金等の還付が受けられると謳い、ATMを操作させ、お金を騙し取る手口です。
公的機関や金融機関が、還付を知らせる電話をかけることは絶対にありません。
また、公的機関や金融機関の職員が、ATMを操作するよう指示をすることも絶対にありません。
還付金が受け取れるといった内容の電話は詐欺なので、信じないようご注意ください。
還付金詐欺については、こちらの記事で詳しくご紹介していますので、あわせてご参照ください。
融資保証金詐欺
融資保証金詐欺とは、融資を受けようとしている人に対し、「低金利」「即日融資」などと謳ったチラシやFAX、電子メールなどを送り付け、実際には融資しないにもかかわらず、融資する前の保証金や手数料などの名目で、お金を騙し取る詐欺の手口です。
繰り返し金銭を要求される場合もありますが、何度支払っても融資を受けられることはありません。
「保証金は返金される」などの言葉でお金を騙し取ったあとは、貸金業者とは連絡が取れなくなります。
融資保証金詐欺は、若い世代の方が被害に遭いやすく、注意が必要な特殊詐欺のひとつです。
<令和4年度:融資保証金詐欺の被害内訳>
男(%) | 女(%) | |
19歳以下 | 0.8% | 0.0% |
20~29歳 | 14.9% | 3.3% |
30~39歳 | 21.5% | 5.0% |
40~49歳 | 20.7% | 5.0% |
50~59歳 | 10.7% | 1.7% |
60~64歳 | 5.0% | 1.7% |
65~69歳 | 5.0% | 0.0% |
70~79歳 | 3.3% | 1.7% |
80~89歳 | 0.0% | 0.0% |
90~99歳 | 0.0% | 0.0% |
100歳以上 | 0.0% | 0.0% |
合計 | 81.8% | 18.2% |
上の表からわかる通り、20~40代が被害者のボリュームゾーンとなっています。
会社を立ち上げようとしている方や、経営を続けるために融資を検討している方がターゲットになる事が多いため、くれぐれもご注意ください。
融資保証金詐欺については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
金融商品詐欺
金融商品詐欺とは、未公開株や社債などを購入すれば利益が得られるなどという虚偽の情報を提供し、お金を騙し取る手口です。
<令和4年度:融資保証金詐欺の被害内訳>
男(%) | 女(%) | |
19歳以下 | 0.0% | 0.0% |
20~29歳 | 6.5% | 0.0% |
30~39歳 | 6.5% | 3.2% |
40~49歳 | 6.5% | 6.5% |
50~59歳 | 16.1% | 16.1% |
60~64歳 | 0.0% | 3.2% |
65~69歳 | 3.2% | 0.0% |
70~79歳 | 16.1% | 9.7% |
80~89歳 | 3.2% | 3.2% |
90~99歳 | 0.0% | 0.0% |
100歳以上 | 0.0% | 0.0% |
合計 | 58.1% | 41.9% |
上の表からわかる通り、20代~70代の幅広い世代で被害に遭っているため、注意が必要な特殊詐欺の一つです。
国が副業を解禁したことから、若い世代でも副業に関心が集まり、投資に興味を持つ方が増えたことも原因の一つとして考えられます。
見知らぬ相手から未公開株や社債の購入を持ち掛けられた場合は、詐欺の可能性が高いため、くれぐれもご注意ください。
金融商品詐欺については、こちらの記事で詳しくご紹介していますので、あわせてご参照ください。
ギャンブル詐欺
ギャンブル詐欺では、「パチンコ必勝法」や「絶対当たる競馬予想情報」、「宝くじ当選番号」などを教えると持ち掛け、高額な情報料を騙し取る手口が見られています。
ギャンブル専門誌やネットの広告、ランダムに送りつけるメールなどから、興味を持って連絡してきた人をターゲットに、儲け話を持ち掛けます。
ギャンブルに必勝法は存在しません。
ギャンブル必勝法や攻略法、宝くじ当選番号を教えるといった内容は、すべて詐欺であると考えられるため、くれぐれもご注意ください。
ギャンブル詐欺については、こちらの記事で詳しくご紹介していますので、あわせてご参照ください。
交際あっせん詐欺
交際あっせん詐欺とは、実際には異性に出会えないにもかかわらず、異性の紹介などを持ち掛けて会員登録料や保証金の名目でお金を騙し取る詐欺です。
繰り返し金銭を要求される場合もありますが、何度支払っても異性と出会えないため注意が必要です。
交際あっせん詐欺については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
キャッシュカード詐欺盗
キャッシュカード詐欺盗とは、警察官や銀行職員などになりすまし、「キャッシュカードが不正に利用されている」「預金を保護する手続きをする」など嘘の説明をしたうえで、キャッシュカードを盗み取る手口です。
警察官や銀行協会などの職員がキャッシュカードを預かりに来ること・封筒に入れさせること絶対にはありません。
キャッシュカード詐欺盗では、キャッシュカードを保護する名目で封筒に入れ、目を離した隙に偽のカードとすり替えます。
そのため、どんな理由であっても、「キャッシュカードを預かります・保護します」といった内容は100%詐欺ですので、くれぐれもご注意ください。
キャッシュカード詐欺盗については、こちらの記事で詳しく紹介していますので、あわせてご参照ください。
その他の特殊詐欺
その他の特殊詐欺とは、上記でご紹介した類型に該当しない特殊詐欺のことをいいます。
詐欺師は様々な方法でお金を騙し取ろうとします。
見知らぬ相手から、現金の振り込み、手渡しや郵送を要求された場合は、必ず詐欺を疑い、警察に相談してください。
特殊詐欺における認知件数の推移
直近10年間における、特殊詐欺の認知件数の推移をみていきましょう。
出典元:警視庁「令和4年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について」
年次 | 特殊詐欺の認知件数 |
2013年 | 11,998件 |
2014年 | 13,392件 |
2015年 | 13,824件 |
2016年 | 14,154件 |
2017年 | 18,212件 |
2018年 | 17,844件 |
2019年 | 16,851件 |
2020年 | 13,550件 |
2021年 | 14,498件 |
2022年 | 17,570件 |
認知件数の推移を見てみると、2017年をピークに減少傾向に転じていましたが、2021年から一転し増加傾向にあります。
特殊詐欺の被害は、減少や増加を行ったり来たりしているものの、いまだ撲滅には至っていません。
また、これらの数字は警察が認知できている件数であるため、実際にはもっと多くの被害が発生している可能性が考えられます。
【令和4年度】特殊詐欺の被害内訳
令和4年度の特殊詐欺の被害内訳を見ていきましょう。
オレオレ詐欺 | 4287件 |
預貯金詐欺 | 2363件 |
架空請求詐欺 | 2922件 |
還付金詐欺 | 4679件 |
融資保証金詐欺 | 142件 |
金融商品詐欺 | 31件 |
ギャンブル詐欺 | 50件 |
交際あっせん詐欺 | 8件 |
キャッシュカード詐欺盗 | 3074件 |
その他の特殊詐欺 | 14件 |
令和4年度では、還付金詐欺の被害が一番多く、次いでオレオレ詐欺、キャッシュカード詐欺盗の順に被害が発生しています。
令和3年度では、還付金詐欺が4,004件と一番多く、次いでオレオレ詐欺3,085件、キャッシュカード詐欺盗の順に被害が発生していました。
順位の前後はあるものの、オレオレ詐欺・還付金詐欺・キャッシュカード詐欺盗の3つが、特に注意が必要な特殊詐欺であることが分かりました。
特に注意が必要な特殊詐欺については、こちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
特殊詐欺の被害を防ぐ対策5選
では、特殊詐欺の被害に遭わないためにはどうしたらよいのでしょうか。
そこで、特殊詐欺の被害に遭わないためにできる対策を5つご紹介します。
知らない番号からの電話に出ない
知らない番号からの電話に出ないことが基本です。
また、あわせて常に留守番電話機能を設定する、迷惑・悪質電話防止装置付きの電話機を活用することで、特殊詐欺をはじめとする様々な詐欺被害に遭う可能性をグッと減らすことができます。
自宅に固定電話を設置している方は、電話の防犯対策を見直してみるとよいでしょう。
お金の話が出たらまずは事実確認をする
「すぐにお金を振り込んでほしい」などと言われても、電話の相手が本物なのか、事実確認をすることが大切です。
まずは本人に確認、家族や警察に相談してみましょう。
普段から家族間で連絡を取り合っておく
家族間で、お互いの勤め先の番号や勤務時間帯、仕事内容などの詳細情報を共有し、連絡を取り合うことが大切です。
また、怪しい出来事が起こった際に、家族にすぐ相談できる環境も、とても大切です。
とくに高齢者の方は、孤独で抱え込んでしまう方も多くいらっしゃいます。
家族で支えあいながら、詐欺被害から身を守りましょう。
詐欺の手口を知っておく
詐欺の被害に遭わないためには、詐欺の手口を事前に知っておくことがとても大切です。
詐欺の手口は巧妙化しており、どんどん新しい手口で詐欺被害が生まれています。
詐欺の手口を家族間で共有したり、ニュースを見たりしながら、常に新しい情報を知っておくことを心がけるとよいでしょう。
暗証番号や個人情報を教えない
クレジットカードやキャッシュカードの暗証番号、メールアドレスや住所などの個人情報は、第三者に教えないようにしましょう。
警察を名乗っていても、銀行職員を名乗っていても、クレジットカードや通帳、印鑑などは決して渡してはいけません。
特殊詐欺被害は返金請求できる?
「特殊詐欺の被害に遭ってしまった場合、返金請求をすることはできるのか?」というご相談を受けたことがあります。
結論からお伝えしますと、振り込んでしまったお金を取り返すことができる可能性は、非常に低いと考えられます。
ですが、2007年に制定された振り込め詐欺救済法により、被害金の返金が叶う可能性があります。
そのため、振り込め詐欺の被害に遭ってしまった際は、速やかに警察へ相談するようにしてください。
特殊詐欺には要注意!
この記事では、特殊詐欺10型の手口や対策についてお伝えしました。
特殊詐欺は、メディアや警察による注意喚起がなされてはいるものの、詐欺組織の手口も巧妙化しており、いまだ被害の撲滅には至っていません。
特殊詐欺の被害を防ぐためには、最新の手口や事例を知っておくことも重要ですが、周囲の方の協力も必要不可欠です。
特殊詐欺の被害に遭ってしまった場合、被害者ご本人だけでなく、周りのご家族の方も悲しい思いをしてしまします。
また、被害に遭ってしまうとお金を取り返すことが非常に困難です。
そのため、普段から少しでも怪しい出来事があったら相談できるような環境ができるよう、周囲の方が一丸となって対策していきましょう。
特殊詐欺の被害に遭ってしまった場合は、速やかに警察へ相談してください。
当サイトとしての願いは、特殊詐欺が撲滅することです。
この記事を通して、特殊詐欺の被害に遭う方が一人でも減ることを願っています。