目次
コロナ禍で減少していた、チケットの転売をめぐるトラブルの相談件数が再び増えているとして、国民生活センターが注意を呼び掛けています。
感染対策でイベントそのものが減った2020年度は322件と、前年度に比べると大きく減少しましたが、コロナが落ち着き始めると同時にイベント再開の動きが見られ、2022年度には1687件にまで増えました。
新型コロナウイルスが5類に移行したことで、チケットの転売に関する被害は、今後も増加することが予想されています。
引用:読売新聞オンライン
増加の理由のひとつとして、「推し活」ブームの影響が考えられると、国民生活センターは指摘しています。
推し活とは、自分が推しているアイドルや俳優、キャラクターなどを応援する活動のことを言います。
この推し活ブームにより、お金をかけるほど「推し」のアーティストを応援してると感じられたり、ファン同士の競争心から高額でもチケットを入手したいと感じたりするファン心理が影響して、チケット転売被害の増加につながっていることが考えられているようです。
そこで今回は、実際に起こったチケット詐欺の相談事例をご紹介します。
チケット転売詐欺の相談事例
滋賀県に住む20代の女子大学生は、人気アイドルグループのコンサートチケットをめぐり、1万6000円を騙し取られたという。
最初はファンクラブで購入しようとしたが、落選。諦めることができず、ツイッターで転売してくれる相手を探した。
掲示価格が定価(1枚8000円)の10倍程度と高額なものが多い中、「2枚を定価で譲る」という書き込みを見つけた。
メッセージを送信すると、「キャッシュレス決済で先に送金してほしい」と返事があった。
直後に計1万6000円を送金すると、相手は音信不通になったという。
被害に遭った女子大学生は、主催者側がチケット転売を禁止し、発覚した際はファンクラブを強制退会になる可能性があることから、警察には相談しづらいとして、被害届を出していないという。
相談事例の解説
今回ご紹介したチケット転売詐欺の被害事例について、詐欺返金110番が解説します。
①Twitter上で取引
相手の素性が分からないSNSを通じた取引は、詐欺被害に遭うリスクが高まります。
また、Twitterでは気軽にチケット譲渡取引ができることから、チケット詐欺の被害が急増しています。
被害に遭う可能性がありますので、SNSを通じて取引する場合は、十分ご注意ください。
②先払いを要求
チケット譲渡の取引時、先払いを要求された場合は、詐欺である可能性が高いと考えられます。
なぜなら、お金だけ受け取ってそのまま逃げることができるからです。
購入者側が指定した支払い方法を拒否する相手や、チケットと代金をその場で交換する対面取引を避ける相手との取引は避けた方が無難でしょう。
③ファンクラブ退会を恐れ、被害届の提出をしていない
被害者がファンクラブの強制退会を恐れて、被害届を提出できないことを見越して、詐欺行為を行っていることも考えられます。
犯人は詐欺行為を繰り返す可能性が高いため、被害に遭った場合は、警察に被害届を提出するようにしましょう。
返金が困難なチケット詐欺には要注意!
SNS上でチケット譲渡取引をしている人の中にも、善意でゆずってくださる方もいるかもしれません。
ですが、チケットを手に入れることができなかった「推し」のライブやイベントには、高いお金を払ってでも見たいというファン心理を悪用して、詐欺行為を働くものがいることも事実です。
万が一チケットを譲ってもらうことがあった場合でも、信頼できる友人や知人、身元がしっかり判明している方から譲ってもらうなど、細心の注意を払うようにしましょう。
チケット詐欺被害に遭った場合、支払ってしまった代金の返金解決は困難なケースが多いです。
そのため、チケット・転売詐欺の被害に遭ってしまった場合には、速やかに警察や国民生活センター窓口へご相談ください。
チケット詐欺の被害に遭わないためには、事前に手口を知っておくことも重要です。こちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。